吉野家の「ラーメン」欧州1号店の反響は? なぜ牛丼ではなくラーメンを選んだのか:「ばり馬」は通用するか(2/5 ページ)
吉野家ホールディングスがラーメン事業を加速させている。人気ラーメン店をグループ化して、「牛丼」「うどん」に次ぐ“第3の収益源”に育てていく方針だ。2024年10月には子会社のウィズリンクを通じて欧州に初進出、どんな反響があるのか。
吉野家HDが「ラーメン」に進出した3つの狙い
吉野家HDがラーメン事業に参入したのは2007年のこと。経営破綻した「ラーメン一番本部」(大阪市)から、1杯180円の激安店「びっくりラーメン一番」などの事業を譲り受けて開始したが、軌道に乗らず2009年に撤退した。
その後、2016年に「せたが屋」や「ひるがお」を運営する「せたが屋」(東京都世田谷区)を買収して、ラーメン事業に再参入。さらに、2019年にウィズリンク、2024年5月にラーメン店向けの麺、スープ、タレなどを手掛ける「宝産業」(京都市)、2025年1月にラーメンブランド「キラメキノトリ」を運営する「キラメキノ未来」(京都市)を子会社化して、事業拡大を図っている。
「ラーメン事業を拡大したい狙いは3つある」と茅野氏。1つめは、ご当地グルメとして発展したラーメン店をグループ化し、新たな価値を生み出すこと。2つめは、吉野家HDが主軸とする牛丼よりも原材料高騰やリスク管理の面で、より耐性があると見込まれること。3つめは、グローバルな和食として、寿司に次ぐのがラーメンだと考えていることだ。
「さまざまな地域に根ざしたブランドを、専門店とチェーン店の両軸でポートフォリオに取り込んでいます。例えば、『せたが屋』や『金澤濃厚中華そば神仙』などは店内で手仕込みする専門店領域として。『キラメキノトリ』や『ばり馬』などは、オペレーションを効率化したチェーン店として。そして、両者をつなぐのが、ラーメン店向けの麺、スープ、タレなどを手掛ける宝産業です」(茅野氏)
このような戦略でラーメン事業を拡大していき、大きな目標として掲げるのが「世界で一番ラーメンを販売する外食グループになること」だという。
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