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吉野家の「ラーメン」欧州1号店の反響は? なぜ牛丼ではなくラーメンを選んだのか「ばり馬」は通用するか(3/5 ページ)

吉野家ホールディングスがラーメン事業を加速させている。人気ラーメン店をグループ化して、「牛丼」「うどん」に次ぐ“第3の収益源”に育てていく方針だ。2024年10月には子会社のウィズリンクを通じて欧州に初進出、どんな反響があるのか。

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ばり馬は世界で通用する味

 吉野家HDにとって「海外の水先案内人」となるウィズリンクは、2013年にシンガポールで海外1号店を出店した後、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリアと海外展開を加速。2025年3月時点で、エディンバラ店を含め、海外で28店舗を運営している。

 国内では43店舗を運営する。「当社の強みは、高いスキルを持つ職人を必要としない店舗運営にある」と秋月社長は話す。

 「当社のブランドは店舗でダシを取るのではなく、工場で完成させたスープを各店に納品しているため、スープの経時変化(時間経過による味の劣化)が起こりづらい特徴があります」(秋月氏)

 店舗で骨からダシを取る場合、長時間沸騰させなければならず、揮発(液体が気体になる)の影響などにより、どんどん味が変わってしまう。それに対し、職人は味を微調整しなければいけない。一方、工場で作ったスープは経時変化による味の変化は少ない。同社によると、味がブレにくい仕組みと運営ノウハウを確立しているので、「国内では月商1000万円を超える店舗でも、アルバイトのみでの運営が可能」(秋月氏)だという。


特に業績がいいというオーストラリアの「Bariuma Perth」の様子(出典:ばり馬の公式Webサイト)

ウィズリンクは世界各国の展示会にも積極的に出展し、高い評価を得ている(出典:ウィズリンクのプレスリリース)

 海外では「ばり馬」を中心に展開しており、出店エリアのうち香港とオーストラリアの店舗は特に業績がいいという。

 ばり馬のラーメンは世界に通用するという自負があり、世界中に日本製のスープを輸送できる体制も構築できている。こうした状況下で吉野家HDは、ラーメン市場が急成長している北米や欧州にアプローチをしたい意図があり、タイミングよく現地パートナーが見つかり、エディンバラでの出店に至った。

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