吉野家の「ラーメン」欧州1号店の反響は? なぜ牛丼ではなくラーメンを選んだのか:「ばり馬」は通用するか(4/5 ページ)
吉野家ホールディングスがラーメン事業を加速させている。人気ラーメン店をグループ化して、「牛丼」「うどん」に次ぐ“第3の収益源”に育てていく方針だ。2024年10月には子会社のウィズリンクを通じて欧州に初進出、どんな反響があるのか。
エディンバラの「ばり馬」はどんな店?
エディンバラとはどんな都市なのか。「観光、学業、保険が有名で、英国の人々にとっては避暑地のような場所」(秋月氏)だという。調べてみると、“投資信託発祥の地”と言われており、世界的に評価の高いエディンバラ大学があり、留学先としても人気が高いようだ。エディンバラ城をはじめとした観光スポットも点在している。
2024年10月にオープンした「ばり馬」のエディンバラ店は、エディンバラ城から徒歩5分ほどの立地で欧米人観光客が多いエリア。実際、訪れる客の約7割が観光客だという
エディンバラ店は1階にレジ、土産コーナー、製麺室があり、2階にキッチンと74の客席がある。正午〜午後10時の営業で、価格帯は昼も夜も同一としている。
「『日本の食文化に触れたい』というお客さまが多いので、外観や内装は日本以上に“日本らしさ”が求められます。木目を多く使ったり、日本らしいデザインのポスターを飾ったり。国内店舗では白基調の内装が多いのですが、エディンバラでは白い壁や天井がチープに見えるようで黒基調にしています」(秋月氏)
メニューには、ラーメンのほかにカレーライスやご飯ものを用意し、サイドディッシュも国内店舗より豊富に取りそろえる。主力となるとんこつ鶏ガラ醤油の「AJITMA-UMA(味玉馬)」(14.9ポンド、約2900円)は、日本で製造したスープを使い、現地で最終的な仕上げをして完成させている。
「KATSU-CURRY RICE(カツカレーライス)」(14.4ポンド、約2800円)のルーは、日本で製造したカレーソースに隠し味としてラーメンのスープを入れている。動物性の食品を使用していないベジタブルメニューも用意している。
価格帯は現地のラーメン店とほぼ同じ。現地のイタリアンや中華レストランと比べても、同程度かやや安い価格設定だという。
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