インタビュー
なぜ企業は“遊びのプロ”に依頼するのか? ファミリー客を呼び込む「あそび場」の秘密(6/6 ページ)
「遊び場」を導入する企業が増えている。商業施設や競馬場、ボートレース場などで導入が進んでいるが、その背景に何があるのか。全国で3万5000カ所以上の遊び場を手がけるボーネルンド社を取材した。
あそび環境への投資に必要なのは「長期的視点」
ボーネルンドが目指すあそび環境は、単なる子どもの娯楽施設を超えた社会的価値を持っている。質の高いあそび場は子どもの健全な発達を促すだけでなく、地域コミュニティーの核となり、多世代交流や街の活性化にも貢献する。
一方で、課題もある。特に日本社会では「安全」に対する過剰な要求が、遊びの本質的価値を損なう可能性があることだ。公園からの遊具の撤去もその一例といえる。
「子どもの成長には、適度なリスクとの向き合い方を学ぶ必要もあるが、小さなケガさえも許されない風潮があそび場の存続を脅かしている」(池上氏)
良質なあそび環境への投資は、子どもの健全な成長と、将来の医療費や社会保障費といった社会的コストの削減にもつながるという長期的視点が必要だ。
子どもを取り巻く環境が変化する中で、あそび場のあり方も進化を続けている。ただ、単に施設を増やせばよいわけではない。地域ごとの課題に即したあそび場をどう作っていくかが、今後の大きなテーマになりそうだ。
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