「ファミマに来た人」のスマホにクーポン配信→購買率上昇 “3種類の広告”の効果とは

ファミマがビーコン（近距離無線通信端末）を活用した、商品訴求の実証実験について結果を発表した。その効果は？

[ITmedia]

　ファミリーマートは3月21日、店舗内やJR山手線社内にあるデジタルサイネージを利用した実証実験の結果を発表した。店内のデジタルサイネージ「FamilyMartVision」、JR山手線車内のデジタルサイネージ「まど上チャンネル」、ビーコン（近距離無線通信端末）の3つの媒体を利用したもので、実験は2024年6〜7月に実施。3つのメディアを活用した広告全てと接触した人の商品購買伸長率は、サイネージ広告のみと接触したケースと比べて、最大で約1.7倍だったという。

ファミマ、3種類の広告配信を組み合わせる実証実験　効果は？（出所：ファミマのニュースリリース）

来店者・山手線ユーザーに対し実験

　今回の取り組みは、3つのメディアを通じて、来店およびファミマPB「ファミマル」の「ポテトチップス絶品うすしお味」の購買を促進したもの。同商品のクーポン施策の実施期間内である、2024年6月24日〜7月7日にかけて実施し、購買伸長率と商品認知度を検証した。

「まど上チャンネル」（JR東日本のプレスリリースより引用）

実証実験で配信した広告（出所：ファミマのニュースリリース、以下同）

実験の効果は？

　同社は広告の接触者を、A群（「FamilyMartVision」もしくは「まど上チャンネル」接触）、B群（ビーコン広告および、「FamilyMartVision」「まど上チャンネル」のいずれかに接触）、C群（全ての広告に接触）の3種類に分類。

　その結果、全ての広告に接触した人（C群）の購買伸長率は、サイネージ広告のみに接触した人（A群）と比較して、約1.7倍伸長。

商品購買伸長率（出所：ファミマのニュースリリース、以下同）

　また、全ての広告に接触した人（C群）における「ポテトチップス絶品うすしお味」の商品認知度は、サイネージ広告のみに接触した人（A群）と比較して、約1.4倍伸長した。

商品認知度

　広告接触後、商品購入や商品についての検索といった行動変容がみられたかどうか検証したところ、全ての広告に接触した人（C群）の行動変容効果は、サイネージ広告のみに接触した人（A群）と比較して、約4倍になった。

行動変容

　同社は「クロスメディアが生活者の購買行動・認知拡大に大きな影響を与えることが実証された」とコメント。こうした広告ソリューションの商品化に向けて、引き続き検討していくとしている。