企業向けにDX研修を実施するリンプレス(東京都港区)が実施した調査により、DXプロジェクトが停滞する原因や、成功と失敗を分けるポイント、プロジェクトを推進する人材に必要だと思うスキルや能力などが明らかになった。
DXプロジェクトが停滞する原因が潜む段階(複数回答)については「要件定義段階(要件の明確化・プラン策定)」「実行段階(プロジェクト実施・進捗管理)」が53.8%で同率だった。
上記2つの段階における課題(複数回答)を尋ねたところ、61.5%が「業務プロセスの可視化・分析ができていない」と回答した。2位は「顧客視点でのニーズ把握・分析が不足している」(42.9%)、3位は「ビジネス課題とITソリューションの結びつけ方が分からない」(37.4%)という結果となった。
DXプロジェクト、成功と失敗を分けるのは何?
成功したDXプロジェクトと失敗したDXプロジェクトを比較した際の大きな違い(最大3つまでの複数回答)を調査したところ、最も多い回答は「プロジェクトマネジメントの質」(37.1%)だった。以降「経営層のコミットメント」(30.3%)、「人材の質・量」(29.5%)、「リソース・予算の十分さ」(25.8%)、「企画立案の質(目的・課題設定の明確さ)」(24.2%)と続いた。
DXプロジェクトを成功に導くために、プロジェクトの中核人材にはどのようなスキルや能力が求められるのか(最大3つまでの複数回答)。51.5%が「データ分析・活用能力」と回答しており、その他は「プロジェクトマネジメント能力」(37.9%)、「IT企画力(業務とITの結びつけ)」(34.8%)、「デザイン思考(ユーザー視点での価値創造)」(25.8%)などが挙げられた。
DXプロジェクトを推進する中核人材を確保・育成するための方法を尋ねた(複数回答)ところ、最も多かったのは「実際のDXプロジェクトへのアサイン(OJT)」(41.7%)だった。以降「社内勉強会・ナレッジ共有の仕組み作り」(40.9%)、「専門スキルを持つ中途採用の強化」(40.2%)と続いた。
調査は、大手企業(従業員1000人以上)に勤めており、DX推進に携わっている担当者132人を対象にインターネットで実施した。調査実施日は3月11日。
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