29.7%「1on1の効果が感じられない」 部下が成長する1on1に必要な4つの観点:パーソル総合研究所調査
1on1を経験している部下の29.7%「効果を感じられない」と回答しているが、部下の成長のためにはどのような観点が必要なのか?
パーソル総合研究所が実施した「1on1ミーティング」に関する調査から、部下が成長する1on1に必要な要素が明らかになった。
まず、1on1を経験している部下にその満足度を尋ねたところ、52.7%が「満足」(「非常に満足」「満足」「やや満足」の合計)とした一方、47.3%は「不安・どちらともいえない」(「非常に不満」「不満」「やや不満」「どちらともいえない」の合計)と回答しており、ほぼ半々の結果となった。
1on1に関して困っていることについて、上司の回答で最も多かったのは「面談について学ぶ仕組みがない」(35.4%)で、部下では「面談の効果が感じられない」(29.7%)が最多の回答となった。必要な改善点は「『人材育成』を重視する組織風土をつくる」が上司・部下共に最多の回答だった。
部下の成長につながる1on1 何が必要?
部下が成長する1on1には何が必要なのか? 話す割合やテーマ、頻度などを調査した。
話す割合については、上司より部下の話す割合が高い方が部下の成長度も高くなっていた(「部下の話す割合が高い」6.8点、「上司の話す割合が高い」6.3点)。また、1on1時に上司より部下がその日に話すテーマを決めているほど、部下の成長度も高くなることが分かった(「部下がテーマ設定」6.9点、「上司がテーマ設定」6.4点)。
頻度や1回の所要時間についてはどうか。1on1の実施頻度別に、1回当たりの実施時間と部下の成長度を比較したところ、最も成長度が高いのは、月2〜3回以上という高頻度かつ1回当たりの時間が30分以上1時間未満の1on1だった(7.4点)。
最も成長が低いのは、月2〜3回以上かつ1回当たりの時間が1時間以上の1on1だった(6.0点) 。1回当たりの時間が長すぎるのも逆効果であることが明らかになった。
パーソル総合研究所は調査を踏まえ、部下の成長につながる1on1を「人材育成のあり方」「1on1に関する学びの機会提供」「上司のマネジメント行動」「1on1の運用」の4つの観点から、以下の図に整理した。
調査は直近半年間で「部下の成長支援を目的とした面談(1on1)」を実施した、20〜59歳の正社員を対象にインターネットで実施した。有効回答者数は3000人、期間は2024年6月11〜13日。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
約8割が「オフィスで集中できていない」 理由トップ3は?
出社回帰の流れが強まる中、約8割が「オフィスで集中できていない」と回答。何が要因なのか?
2024年に「取得してよかった資格」 簿記を抑えた1位は?
2024年に「取得してよかった資格」を調査した。人気な「簿記」を抑えた1位は何だったのか?
派遣で働くことにした理由 「高時給」を抑えた、1位は?
エンバイトを運営するエン・ジャパンの調査によると、68.0%の人が「派遣で働いた経験」があることが分かった。派遣で働くのはなぜか、「高時給」を抑えた1位は?
フリーランスエンジニア、契約終了の理由は? 「3カ月以内」の早期解約は65.3%に
フリーランスエンジニアとの契約を3カ月以内に終了させている理由を調査した。どの点が問題だったのかというと……
派遣会社の約4割「直近3年で利益減」 倒産件数も増える中、どう動く?
派遣会社の倒産が増えており、利益が減っている企業も4割に上る。実態を調査した。




