味の素AGFのコーヒー「地元ブレンド」好調 きっかけは九州支社長の一言(1/3 ページ)
味の素AGFが2018年から販売するエリア限定商品「地元ブレンド」シリーズは、地域ごとの嗜好の違いに着目して誕生した。開発のきっかけは、九州支社長のある一言だった。
「九州では苦味がなくまろやかで、少し酸味のあるコーヒーが好まれる」――この一言から生まれたコーヒーがある。味の素AGFが2018年から販売するエリア限定商品「地元ブレンド」シリーズだ。「地域によって好まれる味が違う」と聞くとしょうゆやみそを思い浮かべるが、こうした嗜好の違いはコーヒーにもあるのだとか。開発の裏側を、味の素AGFの木村茉莉氏(コンシューマービジネス部 レギュラーコーヒーグループ)に聞いた。
地元ブレンドは、味の素AGFの「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドから販売している。現在は「北海道」「東北」「北関東」「北陸信越」「東海」「関西」「瀬戸内」「九州」という8エリアの嗜好に合わせたコーヒーを展開。味の素AGFの調査によれば、北に行くほどコクがある濃いコーヒーが好まれ、南に行くほどまろやかな味わいが好まれるそうだ。
木村氏によると、こうした嗜好の違いは、しょうゆやみそと同様に、地域性や食文化が影響しているそうだ。例えば、北海道は重厚なコクとほどよい苦味のあるコーヒーが好まれる。「北海道は神戸や横浜といった港町から遠く、運ばれてくる間に上質な豆が売られてしまいました。残った質の良くない豆をおいしく飲むために深煎りの濃いコーヒーが根付いたといわれています」(木村氏)。北陸信越は和菓子文化が発達しており、お茶のようにすっきりと飲め、香りがよいのコーヒーが好まれるそうだ。
東海は濃厚な味わいのコーヒーが人気だが、これは「モーニング文化が関係している」と木村氏。トーストをバターやあんこと食べるので、それらに負けないように濃厚な味わいのコーヒーが選ばれるようになっていったという。しょうゆや出汁が甘めの九州は、コーヒーもまろやかで酸味は少ないものが人気だそうだ。
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