営業育成支援サービスを提供する平井徹事務所(東京都渋谷区)の調査より、若手営業が抱えている課題や、育成体制に対する不満とその理由が明らかになった。
まず、若手営業が直面している「スキル面」「メンタル面」での壁を尋ねたところ、スキル面については「ヒアリング不足」(37.2%)が最も多く挙げられた。以降「質問対応の弱さ」(31.3%)、「提案力の低さ」(27.2%)と続いた。
メンタル面では、26.7%が「不安定な営業成績への焦り」と回答。2位は「成果プレッシャーによるストレス」(24.9%)、3位は「上司や先輩からの叱責やプレッシャー」という結果に。
スキルにおいては顧客とのコミュニケーションに関わるスキルが特に大きな壁となっており、メンタル面では営業職は成績が明確に数字で表れるため、そののプレッシャーによりストレスを感じる傾向が強いことが分かった。
6割超が「育成体制に不満」 どんな育成をしているのか?
営業力向上に向けて、社内ではどのような育成体制が用意されているのか? 最も多かったのは「ロールプレイングによる実践練習」(38.5%)だった。以降「上司や先輩との同行営業(OJT)」(38.0%)、「新人研修や基本スキル研修」(35.6%)と続いた。
多くの企業で、実践を重視した形の研修や実際の営業場面を直接見ることでの育成体制が用いられているが、「用意されていない」(7.5%)という回答もあり、一部の会社では育成体制自体を設けていないことが示された。
先述の質問で「社内で育成体制が用意されている」と回答した人を対象に、育成体制の満足度を調査した。63.6%が「満足していない」(「全く満足していない」「あまり満足していない」の合計)と回答。
その理由として、33.3%が「育成内容が実務に合っていない」と回答しており、最も多かった。以降「自分に必要なスキルを学べていない」(32.3%)、「フィードバックが十分でない」(32.2%)と続いた。研修が実務と合っていないと感じている人が多く、より実践的な内容への見直しが求められていることが分かる。
商談時に必要な営業スキルとして学びたいこと、もしくは早く学んでおきたかったことを尋ねたところ、41.4%が「プレゼンテーション力」と答えた。その他「効果的なクロージング技術」(29.3%)、「顧客のニーズを引き出すヒアリング力」(27.4%)、「断られた際の切り替えしスキル」(25.6%)などが挙げられた。
平井徹事務所は調査を踏まえ、「社員側としては、社内の育成体制だけに頼るのではなく、より実務に直結したトレーニングや個々の課題に応じたサポート体制などが充実している外部のサービスを利用することも今後の成長につながる一手になるのではないか」とコメントした。
調査は、営業職歴1〜5年目と回答したモニターを対象にインターネットで実施した。有効回答数は1019人、期間は2月19〜20日。
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