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なぜ扉なしで冷暖房が効くの? パナの駅ブースが変える“待ち時間”の常識(2/3 ページ)

パナソニックが大阪メトロと共同で、扉なしでも冷暖房効果を保つ「前面開放型 駅待合ブース」の実証実験を開始した。特徴は……。

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「ゾーニング気流」で冷暖房した空気を逃さない

 パナソニックは、前面開放型の「駅待合ブース」を約1年かけて開発した。最大の特徴は、前面が開放されながらも冷暖房効果を維持できる点だ。パナソニックはこれを「AIRVEIL SPOT(エアベイルスポット)」と名付け、独自の気流制御技術によって実現した。

 通常は、前面が開放されていると空気が外に逃げてしまう。しかし、同社の「ゾーニング気流」と呼ばれる独自技術がその課題を解決した。

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駅待合ブースの仕組み

 冬は足元から暖気を吹き出して中部に吸い込み、夏は上部から冷気を吹き出して中部に吸い込む構造で、空気を意図的に循環させ、外に逃げないよう包み込む気流設計となっている。

 これにより、夏は暑さ指数を安全域に、冬は体感温度を快適領域に保つ効果が期待できるという。

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可視化した気流の様子
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空気を循環させる

 人流が増加しても通行しやすいよう設備スペースも工夫している。従来の個室待合室と比較して、奥行きを約50%削減したことにより、限られたスペースでの導入も可能にした。

 そのため、空間効率だけでなく、コスト面でも優位性がある。前面が開放されているため扉などの部材が不要となり、部材費は従来型の半分程度に抑えられる見込みだ。

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奥行きを約50%削減

 従来の個室型待合室は、扉の開閉が必要なため、荷物を持っている人や高齢者には不便であり、閉鎖空間ゆえの感染症リスクやセキュリティ上の懸念もあった。前面開放型であれば、これらの課題も解決できる。

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