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「サブウェイ」「宅食」注力で大胆に“チェンジ” ワタミが進める居酒屋→健康シフト長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

かつて総合居酒屋の雄として知られ、一時期はブラック企業として悪い意味で話題になったワタミ。近年ではそうしたイメージを吹き飛ばすような劇的な戦略シフトが進んでいる。

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「人手不足」なのに大規模な出店を仕掛けて大丈夫なのか

 出店計画は、2025年度は35店舗、来年度と再来年度は50店舗、その翌年からは毎年100店舗を出店して、10年で1065店の達成を目指す。サブウェイは過去最高で約500店まで伸ばした実績はあるものの、相当強気な計画だ。しかし、ワタミでは54カ月連続で既存店の売り上げが成長を続けている現状と、前述してきたように改善の余地が残されていることから、新たなニーズを掘り起こして達成可能と考えている。

 今年度に新規出店する35店舗のうち、23店舗は決定している。そのうち9店舗は直営となっており、新宿、高田馬場、川崎などの都心部一等地に出店してブランディングを確立。FC(フランチャイズ)店は損益分岐点が低い立地でしっかりもうけてもらう、といったように出店の戦略を分けていく。

 そんな一等地でアルバイトが集まるのかといった疑問もあるだろう。そこでタイミーと業務提携したわけだ。ヨコハマベイサイド本店をモデル店舗とし、サブウェイ未体験ワーカーへの研修制度導入、店舗勤務を通じた経験者の育成などを行い、タイミーのスポットワーカーが活躍できる機会を創出する。

 ところで、アルバイトが急に病欠になったとか、大人数の宴会が入りその日だけ人手が足りなくなったといった、緊急時の人数合わせに使うスキマバイトをメインに使って、現場が回るのか。

 実はタイミーでは、2023年5月から東京・新橋で、スキマバイトを中心に現場を回す居酒屋「THE 赤提灯」での実績がある。経営はミナデインという外食企業で、店長など3人の社員以外は、全員スキマバイトでこれまで問題なく運営できている。


ザ・赤提灯は、タイミーのスポットワーカー中心に運営

 こうした実績から、タイミーの小川嶺社長はワタミに対し、店長も含めて“フルタイミー”で運営する提案を行ったわけだ。「サブウェイと手を携えて、3000店まで駆け抜けたい」(小川氏)と、気合十分だ。

 タイミーの面白さは、気に入ったスポットワーカーがいれば、引き抜きも歓迎であること。つまり、サブウェイで雇い直して、直接契約のアルバイトに切り替えるのも可能だ。

 求人広告を何度も出してアルバイトを厳選して採用しても、短期で辞めてしまったら元も子もない。累計1000万人を超えたタイミーの豊富なスポットワーカーから、適性を見極めて採用すれば、そういったリスクを軽減できる。


新宿西口ハルク店。フルタイミーの実験店

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