インタビュー
"粉末"の「味ぽん」がドンキでバカ売れ、担当者が語る人気の秘密(3/4 ページ)
液体調味料の常識を覆す「粉末味ぽん」が登場した。ドン・キホーテでわずか4日で完売するなど大反響を呼んだわけだが、人気の理由は?
単なる粉末化ではない付加価値の追求
各種スパイスの配合バランスも徹底的に検証したほか、原料の顆粒の粒度を意図的に不均一にすることで、スパイス自体の食感も楽しめるようにするなど、細部にこだわった。
「無限さっぱりスパイスby味ぽん」という名称も、「パウダー」か「スパイス」で最後まで検討したという。「『スパイス』という響きが、味わいや調味料としての特徴を消費者に伝えるのに最適だと考えた」(吉岡さん)
ヒットの背景には、消費者自身も気付いていなかった潜在的なインサイト(欲求や動機)を捉えた点がある。「調味料を使っても揚げ物のサクサクとした食感を保ちたいという潜在的なニーズを刺激した」と吉岡さんは分析する。
実際に、購入した人からは「やみつきになる味が良かった」「食材が水っぽくならない」などの評価が寄せられている。
柑橘の香りや独自のスパイスブレンドと食感で既存の粉末調味料と差別化したほか、調理の時短ニーズやアウトドアでの需要も、ヒットの後押しとなった。
さらに、PPIHグループでの先行発売も奏功。ドン・キホーテの 「話題性のある商品展開」が若年層やトレンド感度の高い消費者を引きつけ、SNSでの拡散にもつながった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
なぜ旅館は「1泊2食付き」を続けるのか 観光地の夜が静まり返る本当の理由
「1泊2食付き」から「朝食のみ」や「素泊まり」へと転換する事業者が増えている。日本の観光ビジネスにとって良い兆しだが、なぜかというと……。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか
DVDやCDをレンタルできる「ゲオ」の店内は、どうなっているのか。レンタル事業は縮小しているので、店内はテレビやゲームなどが並んでいるが、そんな中で「スウェット」が人気だという。その理由は……。

