大阪・関西万博、ちょっとさびしい「セブン」、エンタメ要素満載のくら寿司……各チェーンの施策に「格差」あり?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
開幕すると、事前の悪評を覆しながらさまざまなグルメが話題になっている「大阪・関西万博」。各チェーンの施策を見ていく。
くら寿司らしい「エンタメ」を駆使した施策とは
くら寿司は、史上最大規模となる135メートルのレーンを擁する店舗を出している。日によっては8時間待ちの大行列になっているというから、人気の高さがうかがえる。この店のために約70もの国と地域のシンボリックなメニューをピックアップしてメニューを提案。これらは、すしではなくいわゆるサイドメニューだが「国籍も人種等も関係なくみんなが同じ回転ベルトを通して同じ食を楽しむことができる仕組み」をつくるという理念に基づいて開発した。同社ではこれを「ハンズハンズPROJECT」と呼んでいる。
万博店のために開発した68種のメニューは、2月7日からくら寿司の各店で、1店につき1商品が提供されている。
その他にも、米国「ハンバーガー」、フランス「カヌレ」、トルコ「ケバブ」といったすでになじみのあるものから、アフリカのアンゴラ「チキンムアンバ」、大洋州のトンガ「ケケ」、中欧のクロアチア「タコのサラダ」のような日本では珍しい諸料理が、各店で紹介されている。
万博が始まる2カ月も前から盛り上げていたわけだ。さらに、各店舗の回転レーンでは万博店の宣伝もしている。例えば「世界最大規模のくら寿司が大阪・関西万博に登場」「回転ベルトは世界を一つに」といった文言が書いてある。「スシロー」も万博に出店しているが、他の店舗に行っても、万博店の宣伝は見受けられない。
くら寿司では万博盛り上げ企画の一環として、ポイントラリーも実施している。全国の店舗にあるQRコードを読み込めばポイントを付与し、ポイント数に応じて、好きな商品を交換できるものだ。万博関連のステッカーやキーホルダーなどが景品となっている。なお、万博グッズは一部販売もしている。
ところが、万博と連動させたスタンプラリーを活用した販売促進なのに、店舗で店員に聞いてみると実際にはためている人はいないようだ。地域差もあるかもしれないが、ブラウザと位置情報を連動させないと登録できないなど、登録の仕方が案外と難しい。そこがネックになっている可能性もある。
万博の店舗の集客にも寄与して、二度おいしい企画のはず。今後の利用者増を期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Perfumeの“振動”が伝わった NTTが万博で見せた、感覚を共有する通信
大阪・関西万博のNTTパビリオンでは、次世代通信基盤「IOWN」を活用し、空間転送や感情連動建築など、未来のコミュニケーション体験を提供している。特徴は……。
なぜ、この料理を万博で? 各国の“食”に見るブランディング戦略
万博で提供される各国グルメ。その背景にあるブランディング戦略に目を向けてみると、違ったものが見えてくる……。




