ニュース
なぜニトリばかりが売れるのか? 見えないライバルたちを引き離す仕組み:小売ビジネス(2/3 ページ)
ニトリは、製造、物流、ITを駆使した「製造物流IT小売業」のモデルで業界をリードし、圧倒的なコスパを実現している。家具業界のトップを走り続ける背景に……。
かつて北海道のローカル家具店であったニトリが、ここまで圧倒的な存在になれた理由は、彼らが自称する「製造物流IT小売業」を実現したことによるのは間違いありません。ざっくり言えば、製造物流IT小売業とは、オリジナル商品の、自社での製造、物流、販売の各工程をITでコントロールしたサプライチェーンを構築し、その効率性によって実現したコスパで圧倒的な競争力を実現した小売業、ということになります。
このあたりについては、各種のニトリ本や関連記事が多数ありますが、まずは「ニトリ IR資料室」で検索して、統合報告書をチェックしてみてください。本文では、以下2点だけ、ライバルとの違いを説明したいと思います。
ニトリは、自社企画した製品を海外生産したことでコスパの高い商品を実現したことも重要なのですが、それ以上にすごいのは、家具の「置き在庫」をなくしたことがコスパ実現につながっていることです。家具は単価も高く、売れる頻度も低く、置いておく場所もとるので、売場に並べるだけでもけっこうコストがかかります。
一般的な家具屋に置いてある在庫は、家具屋の在庫ではなく、問屋が在庫負担して売場に置いている「置き在庫」が普通でした。そして、売れた時に、問屋→家具屋→消費者という所有権移転が同時に起こった、ということにしていました。(この構造はアパレルとベースは同じです)そうしないと、いつ売れるかわからない商品を、資金力に乏しい小売店が仕入れられなかったからです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか
DVDやCDをレンタルできる「ゲオ」の店内は、どうなっているのか。レンタル事業は縮小しているので、店内はテレビやゲームなどが並んでいるが、そんな中で「スウェット」が人気だという。その理由は……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
“ヤンキー特化型”ドンキが大阪に上陸 ボンタン完売の店内はドキドキか、ギラギラか
大阪府貝塚市に「ギラギラドンキ」が登場して、半年がたった。その名の通り、店内はギラギラしているわけだが、新たなコンセプトの店を運営して、どういったことが分かってきたのか。ターゲットのお客は……。
