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日本の“人気車”はなぜこんなにも変わる? 欧米と真逆の市場構造『自動車ビジネス』(3/3 ページ)

日本では流行に応じて車の人気が移り変わるが、欧米では同じ車種が長く愛される傾向がある。街づくりや生活様式の違いが、自動車文化の差異を生み出しているようだ。

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 それでも2000年代に入ってから、世界的なSUVブームが発生します。それに対応するかのように、フォルクスワーゲンは2002年に初のSUVとなる「トゥアレグ」をリリース。プジョー初のSUVとなる「3008」の発売は、2009年のことでした。日本のメーカーと比べると、SUVの導入は10年以上も遅れていたのです。


(出典:ゲッティイメージズ)

 ただし、欧州においてもSUVの人気はゆっくりと、しかし確実に高まっています。小さなハッチバックをベースにした、コンパクトSUVも数多く生まれています。

 現在では、そうしたコンパクトSUVが販売ランキングの上位を占めるようになっています。フォルクスワーゲンであれば「T-ROC」ですし、プジョーなら「2008」、ルノーなら「キャプチャー」が売れ筋となります。

 しかし、一方でミニバンは、欧州では、いまだにヒット車となっていません。あくまでも商用バンという立場から脱していません。

 日本のように、さっと流行が移り変わるのではなく、ゆっくりと変化してゆくのが米国や欧州というわけです。

著者プロフィール:

鈴木ケンイチ

モータージャーナリスト

1966年生まれ。茨城県出身。大学卒業後に一般誌/女性誌/ PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。年間3、4回の海外モーターショー取材を実施、中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。


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