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“ディズニー発”のファストパス、飲食店にも続々浸透中 「値上げ」が難しい中、救世主となるか(3/3 ページ)
かつて東京ディズニーランドを中心に遊園地などで導入が多かった「ファストパス」。昨今は飲食店での導入が進んでいる。値上げなどが難しい中、救世主になるかもしれない。
単純な「値上げ」が難しい中、切り札になり得る
外食業界全体をみると、ファストパスは現段階で本格的な展開には至っていないように見える。TableCheck FastPassに類似するサービスもみられるが、数は少ない。しかし、今後もインバウンドは増える見込みであり、人気店ではファストパスに類似したサービスが広がる可能性はある。
本来、混雑への解消策には「単純な値上げ」と「二重価格制」がある。値上げによる客数減少以上に客単価を上げられれば、利益は増えるはずだ。ただし、2010年代まで続いた長いデフレ経済が尾を引いているのか、店主側の値上げに対する抵抗感は強い。飲食店の競争が激しい都内では特に厳しい。
二重価格制は時間帯や客層によって価格を変える仕組みだ。時間帯によって変えるのはランチ、ディナーのように大手レストランチェーンが既に導入している。客層による二重価格制には、インバウンドだけ高くするといった施策がある。ただし、差別的であるという主張や店舗側の負担が増えるという点で抵抗は大きい。値上げしたいが、抵抗がある……ファストパスはそうした事業者の間で普及するかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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