隣の同僚が億万長者に? 知られざる「いつの間にか富裕層」の実態:火曜日に「へえ」な話(3/4 ページ)
かつて「一生分の大金」とされた1億円。だが今では、一般の会社員でも資産1億円を超える「いつの間にか富裕層」になるケースが増えている。野村総合研究所の調査から見えてきた、“元庶民”たちの新たな富の姿とは――。
これまでの富裕層とは違う
……と、ここまでは、庶民にとってやや縁遠い話を紹介してきたが、次にピラミッド構造の「アッパーマス層」と「マス層」について触れていきたい。
特に気になったのは、アッパーマス層の減少である。2年前と比べて、149.8万世帯(26.0%)も減少しているのだ。一方のマス層はどうか。211.5万世帯(5.0%)も増えているという数字を目にすると、アッパーマス層の一部は準富裕層に繰り上がり、一部はマス層に繰り下がった。つまり、格差が広がっているのではないか、という仮説が立てられる。
もちろん、そうした見方もできなくはないが、「格差が広がっている」とひとことで説明できる話でもない。例えば、都内で高層マンションを購入して、住宅ローンを借り入れた場合はどうなるか。1億円、2億円のマンションを購入すると、金融資産は減ってしまうが、そうした人たちを「庶民(マス層)」に分類してよいのか。
また、単独世帯(1人の世帯)の増加も、注目すべき点である。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、1990年は23.1%だったが、2020年には38.0%に。2050年には、44.3%に上昇するのではないかと予測している。
以前は、結婚して2馬力で生活する人が多かったが、単独は1馬力である。2人で年収3000万円と、1人で年収2500万円を比べた場合、どちらがより裕福な生活を送っているのか。
こうした状況に対し、野村総研の野口幸司さんは「従来の富裕層と違って、属性が多様化している。これまでとは違ったリッチ層が増えているのではないか」と分析している。
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