AI活用、「人事・労務」「情報システム」の職種で多く 気になる使い方は?
人事・労務、情報システムでは3人に1人以上がAIを利用ーー。そのような結果が、ネオマーケティング(東京都渋谷区)による調査で明らかになった。どのように業務でAIを活用しているのか。
人事・労務、情報システムでは3人に1人以上がAIを利用――。そのような結果が、マーケティング支援を手掛けるネオマーケティング(東京都渋谷区)の調査で明らかになった。どのように業務でAIを活用しているのか。
業務におけるルーティンワーク(定型的な作業)の割合について、「5割以上」と回答したのは58.2%に上った。
職種別に見ると「財務・会計・経理」の86.1%、「事務・総務」の75.1%が、業務の半分以上をルーティンワークと認識していることが明らかになった。専門性の高い「士業」においても、59.5%を占める結果に。職種によってばらつきはあるものの、あらゆる業務領域においてAI活用の余地が大きいと言えそうだ。
AIをどんな業務に活用している?
業務におけるAI活用率は16.8%にとどまった。一方で、職種別に「人事・労務」では39.1%、「情報システム」では34.5%と、3人に1人が業務でAIを活用。同社は「この背景には、両職種に共通する『情報の整理・処理』業務の多さがあると考えられる」と分析している。
一方で、普段の業務においてルーティン業務の比率が高かった「財務・会計・経理」「事務・総務」では、実際のAI活用率は相対的に低い傾向が見られた。業務内容にAIとの親和性があったとしても、実際には「現場で扱えるかどうか」「既存の仕組みとどこまでなじむか」といった要素が、AI活用の成否を大きく左右していると考えられる。
AIを利用している業務内容については、「文章作成・編集・要約」が最も多く、55.4%に上った。「日々の情報収集」(44.0%)が続き、業務の出発点や下準備にあたる「とっかかり業務」で多く利用されていることが分かった。
「顧客対応・カスタマーサポート」(17.3%)、「メール・チャット対応の自動化」(16.7%)といった定型的かつ繰り返しの多い業務におけるAI活用率は、相対的に低い水準となった。顧客接点における品質維持への懸念や、現場運用のハードルといった技術以外の課題が影響していると考えられる。
ユーザーの目的や状況を踏まえて自律的に判断・実行するAIシステム「AIエージェント」についても尋ねた。AIエージェントの認知・利用率は15.8%にとどまった一方で、「情報システム」職では24.1%が「利用している」と回答し、特出して高い結果となった。また、「人事・労務」の認知・利用率も32.6%と高水準となった。
AIエージェントに期待することとは。最も多い回答は「人的ミスの削減」となり、32.8%に上った。次に「業務効率の改善」(31.1%)が続いた。業務品質と効率の両立を実現する手段として注目されていることがうかがえる。
調査は4月7〜8日にインターネットで実施。全国の20歳以上の男女、有職者を対象とした。有効回答数は1000人。
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