コラム
すかいらーくが最高益 外食産業の逆風の中で、好調な理由とは?(1/6 ページ)
すかいらーくHDが、第1四半期の決算を発表した。原材料費の高騰や人手不足という厳しいなかで、同期間としては過去最高益を出せた理由に迫る。
著者プロフィール:金森努(かなもり・つとむ)
有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。
2025年5月、すかいらーくホールディングス(HD)が、2025年度第1四半期の決算を発表した。同期間としては過去最高益で、原材料費の高騰や深刻な人手不足など、外食産業が直面する課題に対応する中での好業績は、多くのビジネスパーソンの注目を集めている。
その成長の源泉はどこにあるのだろうか。同社の最新決算情報と経営陣の発言から、戦略の核心に迫る。
数字が示す確かな成長軌道
すかいらーくHDの2025年度第1四半期(1〜3月)連結決算は、売上高が1117億円(前年同期比16.8%増)、営業利益が76億円(前年同期比25.1%増)、純利益が44億円(前年同期比27.5%増)と、力強い結果を示した。
この好調な業績は年間業績予想に対する進捗(しんちょく)率でも明らかで、利益ベースでは約30%と順調な滑り出しである。特に注目すべきは既存店の力強い回復で、売上高は前年同期比109.7%となった。これは、客数が102.2%、客単価が107.4%と、集客と単価の両方を向上させた結果である。これに加えてM&Aによる58億円の売上増も全体の成長に貢献している。
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