コラム
すかいらーくが最高益 外食産業の逆風の中で、好調な理由とは?(2/6 ページ)
すかいらーくHDが、第1四半期の決算を発表した。原材料費の高騰や人手不足という厳しいなかで、同期間としては過去最高益を出せた理由に迫る。
「店舗中心経営」の奏功
同社が成長の大きな要因として挙げるのが、「店舗中心経営」である。これは、単なるコスト削減ではなく、「人は付加価値を生む原動力」という思想に基づき、人への投資を通じてサービス品質と顧客満足度を高め、企業収益につなげる好循環を目指すものだ。具体的には業績インセンティブ制度の導入や、OJT研修の強化、店舗労働時間配分の抜本的な見直しなどを行ったという。CFOの北義昭氏はこうした取り組みの成果として、2025年度第1四半期の人件費率が前年同期の32.3%から31.5%へと改善したと説明している。
この「店舗中心経営」の具体的な効果について、金谷実社長は決算説明会の質疑応答でクルー(パート・アルバイト)の定着率が上がりオペレーションの習熟度が向上したことやクリーンアップタイム削減などによるピーク時間帯の回転率が向上したことを挙げた。その上で、投資した時間以上に売り上げが上がったことが、人件費率低下に大きく寄与したと述べている。
実際、クルーの在籍人数は前年同期比で10%増加し、定着率も向上した結果、応募数が増加する中でも採用人数は減少したという。労働時間も5%追加投資した結果、売り上げは11%向上し、生産性の向上が人件費率の低下につながったと分析している。
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