「1on1をすれば大丈夫」は間違い 若手の心理的安全性を高める“3つの説明”(1/3 ページ)
新入社員や中途採用社員の定着率を高めるためには、心理的安全性を高めることが重要だといわれています。企業は心理的安全性を高めるため、苦心しているように見受けられますが、見落とされがちなことについて社会保険労務士の立場から解説します。
入社時研修が終わり、新入社員が配属先で実務に就き始めた企業が多いと思います。空前の人手不足の現在、苦労して採用した新入社員や中途採用社員について、企業は「1人でも離脱者は出さないようにしたい」と願っているでしょう。
新入社員や中途採用社員の定着率を高めるためには、心理的安全性を高めることが重要だといわれています。企業は心理的安全性を高めるため、苦心しているように見受けられますが、見落とされがちなことについて社会保険労務士の立場から解説します。
心理的安全性を高める努力をしている企業は多いが……
心理的安全性とは、米国の組織行動学者エイミー・エドモンドソン氏が提唱した概念です。チームのメンバーが、対人関係におけるリスクをとっても安全だと感じ、安心して発言や行動できる状態を指します。人は心理的な安全性を保障された状態では、より能力を発揮できるといわれています。
心理的安全性を高めるための取り組みとして、上司と部下が定期的に行う「1on1ミーティング」、ハラスメント対策研修などを行っている企業は多いです。最近では、以前のように座る席を固定するのでなく、取り組んでいる案件ごとなど自由に座るようにするフリーアドレス制度を採用している会社もあります。
いずれも効果は見込まれますが、人手不足からプレイングマネジャーとしての役割が増してより余裕がなくなっている管理職にとって、密度が濃い1on1ミーティングを定期的に実施するのは大きな負担です。ハラスメント対策の研修を実施しても、人によって捉え方が異なる以上、ハラスメントがゼロにはならないかもしれません。個人的には、上記の施策と並行してやらなければいけないことが3つあると考えています。
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