2015年7月27日以前の記事
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「1on1をすれば大丈夫」は間違い 若手の心理的安全性を高める“3つの説明”(2/3 ページ)

新入社員や中途採用社員の定着率を高めるためには、心理的安全性を高めることが重要だといわれています。企業は心理的安全性を高めるため、苦心しているように見受けられますが、見落とされがちなことについて社会保険労務士の立場から解説します。

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就業規則や社内規程についての説明

 まずは就業規則や育児・介護休業規定、旅費など各種の社内規程についての説明です。就業規則は、労働時間、賃金、休日、解雇など、労働条件に関する事項だけでなく、服務規律、安全衛生など、職場におけるルールを明文化したものです。

 労働基準法にのっとり、1日当たりの労働時間や残業代の計算方法、有給休暇の付与日数などの最低基準は決められていますが、「1日の所定労働時間を8時間ではなく7.5時間にする」「有給休暇を入社後半年経たずに労働者に付与する」など、それを上回る待遇は許容されています。半休制度や時間単位の有給制度、休職制度を設けるかは企業が自由に決められるため、制度を設けなくても違法ではありません。

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提供:ゲッティイメージズ

 就業規則は、各作業所の見やすい場所への掲示、備え付け、書面の交付などによって労働者に周知しなければなりません(労働基準法第106条)。社内の共有サーバーなどに保管している場合が多く、大半の企業ではその存在を知らせているかと思われます。ですが、内容についてまで説明している企業は少ないのではないでしょうか? 特に中小企業ではその傾向は高いと思われます。

 今年度は育児・介護休業法が改正され、育児や介護に関する休業や休暇、それを支援する制度が手厚くなりました。それについて定めている育児・介護休業規定も変わっているのですが、変更した内容を説明しなければ、従業員は知る術がありません。弁護士や社労士などの専門家を除き、一般のビジネスパーソンは、法律の動向など注視しないので、利用できる制度があっても申請しない人もいるかもしれません。

評価や昇給制度を作っただけ、で終わらせない

 従業員の評価や昇給制度の内容についても説明すべきです。一定以上の従業員がいる企業では、時間とお金をかけて評価や賃金制度を作っています。評価の方法などについても公開している企業は多いものの精度が十分でないように思われます。リクルートが行った調査では、給与テーブルを策定している会社は約9割あるものの、全ての従業員に給与テーブルを公開している企業は4割ほどにとどまっているようです。

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全ての従業員に給与テーブルを公開している企業は約4割(リクルートのプレスリリースより引用)

 また、同じ企業内であっても職種や階層によって求められるスキルや評価のポイントは変わります。どの行動やアウトプットが加点され、または減点されるかのレベルまで解像度を上げて説明した方がよいでしょう。評価制度という指標がぼやけたまま1on1ミーティングを実施しても、お互いの認識が合わずに終わってしまうリスクもあります。

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