インタビュー
KITTE大阪が仕掛ける“食の7割”作戦 駅前一等地なのに、なぜ振り切ったのか:大阪駅北側の「うめきた」エリア(4/5 ページ)
大阪駅前の激戦区に位置しながらも、開業から約1年で来館者1000万人を突破した「KITTE大阪」。なぜ多くの人が足を運び、リピーターも絶えないのか。その仕掛けと戦略に迫る。
オフィスワーカーの取り込みと店舗への支援が鍵に
好調な開業初年度となったKITTE大阪だが、今後に向けた課題も明確になっている。短期的には、万博により増加した県外からの来阪者やインバウンド客への認知度向上が必要であり、長期的には、オフィスが集積する周辺エリアのビジネスパーソンをいかに取り込むかが課題となる。
JR大阪駅の西側に位置する西梅田エリアは、建て替えやオフィスの新設が進んでおり、就労者が増加傾向にある。KITTE大阪では、JPタワー大阪のオフィス入居者向けに就労者特典サービスを開始するなど、日常的な利用の促進に取り組んでいる。
飲食店が多いことが集客好調の要因の一つである一方で、課題もある。大平氏は「好調な店舗もあるが、残念ながらそうでないところもある」と率直に語り、店舗間の業績格差が生じる中、底上げや支援を日常的に行っていく必要があるとした。
加えて、アンテナショップが集積するフロアも、話題性を維持するため、今後もポップアップやイベントスペースを活用し、目新しさと話題性の向上・維持を目指す方針だ。
建物全体での連携も進めており、5月からは日本郵便とSCRAP(東京都渋谷区)が協力した謎解きイベントを館内全体で展開するなど、複合施設としての特性を生かした取り組みも始まっている。
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