2015年7月27日以前の記事
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時価総額10兆円も視野 NEC社長に聞く「AIとセキュリティ」で目指す「次の5年」(4/4 ページ)

NECは、自社の強みをいかにして社会課題に生かしていくのか。組織再編によって、何をどう変えていくのか。森田隆之社長に聞いた。

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DX成熟度の課題とNECが果たすべき役割

――NECの顔認証技術は大阪万博にも広く導入しています。今後の浸透や活用に向けた課題について教えてください。

 大阪万博では、落合陽一さんがプロデュースするシグネチャーパビリオン「null2」にNECの顔認証技術を導入しています。これまで顔認証に対しては、第三者にデータを預けることへの抵抗感や、情報が取られてしまうのではないかという懸念が根強くありました。しかしnull2で採用している仕組みは、個人が自分の情報を保持し、本人認証が必要な時だけ認証局に問い合わせて認証結果をスマートフォンに返すというものです。

 つまり、航空会社や政府、移民局などが顔データを保有するのではなく、個人が管理し、必要な時だけ認証する仕組みです。このアプローチが広がれば、プライバシーの懸念もクリアになり、利用者の安心感が高まることで、顔認証の普及が一気に進むと考えています。

 顔認証のテクノロジー自体はすでに完成の域に達しており、今後は認証局を誰が担うのか、複数設置するのかなど、制度設計の面での議論が進むことで、次の飛躍に向けたトリガーになると見ています。

――日本にはデジタル赤字という課題もあり、加えてDXの成熟度は一向に向上していない調査結果があります。NECが果たすべき役割についてどのように考えていますか。

 私自身はとても楽観的で、あまり心配はしていません。日本は高齢先進国であり、課題先進国でもありますが、だからこそ日本の価値がこれから発揮されるチャンスが来ていると感じています。米国も中国もそれぞれ課題を抱えている中で、日本も自らの課題をしっかり認識し、前向きに取り組んでいくしかありません。

 先日、社外の技術者と話した際にも「日本は暮らしたい国だ」と言われました。私が日本の技術にこだわるのも、日本の文化や言葉に根差した強みがあると考えているからです。特にAIの分野では、日本の良さが生きてくると信じています。デジタル赤字については確かに課題ですが、NECとしても反転攻勢の姿勢を持ち、良い面もぜひ見ていただきたいと思います。今も収支のバランスは取れており、私は将来をポジティブに見ています。

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