『ルックバック』国際アワード受賞 アニメの更なる成長を確信できる理由:エンタメ×ビジネスを科学する(1/3 ページ)
アニメ『ルックバック』が国際アワードで最高賞を受賞。なぜ“日本的”な作品が海外で評価されたのか? 背景から未来の潮流までを読み解く。
日本独自の情緒や価値観に根差した作品が、世界中のアニメファンに支持された――。2025年5月、藤本タツキ原作のアニメ映画『ルックバック』が、世界最大級のアニメ賞「クランチロール・アニメアワード」で年間最優秀映画に輝いた。
クランチロール・アニメアワードは、世界中のアニメファンによる投票で選ばれる国際的なアニメ賞であり、2025年の第9回は過去最多となる5100万票を集めた。
本稿では、なぜ『ルックバック』の受賞が注目されるのか、その背景と意義を読み解いていく。
アニメの海外での普及に寄与
クランチロール(Crunchyroll)は、アニメ専門の動画配信サービスで、2006年に米国のサンフランシスコで設立された。日本のアニメや東アジア圏の映像コンテンツを提供しており、欧州や北米、中南米、東南アジアで展開しているストリーミングサービスである。
2021年にソニーグループの一員となり、ストリーミングサービスを提供するだけでなく、関連グッズの販売や劇場上映、イベントの主催など、多岐にわたる事業を展開している。ユーザー数は年々増加し、2024年時点で会員数は約1500万人を超えている。
クランチロールは、アニメの世界的な人気に貢献する重要な役割を果たしており、特に海外での普及に寄与してきた。日本での放送とほぼ同タイミングで配信する「シムルキャスト」や、地域ごとに最適化されたコンテンツ配信など、各国・地域のユーザーニーズに対応する試みを行っている。アニメを愛する国外のファンにとって、クランチロールは重要なチャネルの一つである。
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