“燃え尽きる”日本の管理職 「これ以上頑張れない」をどう減らすのか(4/4 ページ)
意欲的に仕事に取り組んでいた人が、突然意欲を失い心身の疲労を感じる、燃え尽き症候群という状態。メンタルヘルス不調の一種である燃え尽き症候群の経験者が、世界中で増加している。
バーンアウトしないためには
大手企業の中には、中高年社員の再戦力化に向けたキャリア開発研修を実施しているところも多い。大手通信会社では中高年向けの「キャリアデザイン研修」と個別の「キャリア面談」を実施している。キャリア面談の担当者は「前向きに頑張ろうとしている社員なのか、あるいはすでに意欲を失った社員なのか、面談すると一発で分かる」と話す。
「最初に『この前の研修はどうでしたか』と聞く。『楽しかったです』と言う人は、職場でもがんばっている人が多い。逆に『つらかったです』と言う人は『この人はあんまり仕事をしていないな』と分かる。つらかったと言う人にどんな仕事をしていきたいか聞いても、『後輩の指導です』とか『上司を補佐します』という決まり文句が多いのが特徴だ」
いったんバーンアウトしてしまった社員を再活性化するのは容易ではない。バーンアウトしないためには職場環境の改革が必須であるが、その最大の柱はマネジメント改革だ。その一例を紹介しよう。
大手エンジニアリング会社は、従来の管理職の役割を3つに分けた。具体的には
(1)経営戦略に基づいて組織運営を遂行する役割
(2)人材育成やキャリア開発の異動を担当する役割
(3)日々の業務を管理し、海外を含めたプロジェクトに人をアサインする役割
の3つだ。管理職の役割と人を再編成することで、職務に専念できる環境を整備した。
同社の人事担当者は、役割を分けた理由について「管理職は経営戦略と社員をつなぐ結節点だが、実際は1人にいろんな責任がのしかかっていた。このままでは疲弊してしまうと思った」と語る。日本企業には珍しい大胆な改革であるが、バーンアウトやそれにつながるメンタル不調が増えつつある今だからこそ、そうした施策が求められている。
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