コラム
セブンの「安売り戦略」がローソンやファミマに勝てない、これだけの理由(1/4 ページ)
大好評だった、セブンの「おにぎり・寿司スーパーセール」。しかし、競合他社の施策との比較や、長期的な視点から考察すると、思わぬ課題が見えてきた……。
本連載について:
都市ジャーナリストでチェーンストア研究家の谷頭和希氏が、現代のビジネスシーンを深く掘り下げる。都市再開発の成功例や課題、企業戦略の変化、消費者文化の進化に注目し、表面的な現象だけでなく、その背後にある背景を探る。日々変化する消費トレンドを通じて、社会や企業の動きに迫り、これからのビジネス環境や戦略について考えさせられる視点を提供していく。
6月11日、セブン-イレブン(以下、セブン)でおにぎりが飛ぶように売れていた。「おにぎり・寿司スーパーセール」が始まったからだ。11日から14日までの4日間限定で、一部のおにぎりや寿司がセール価格で販売された。
このセールは大きな反響を呼んだ。プレスリリースによれば、定番の「手巻おにぎり ツナマヨネーズ」は、セール開始前日の6月10日と比べて約2.6倍、「手巻おにぎり しゃけ」は約3.3倍も売れたという。都内店舗でのアンケートでは、全体の24.0%が「セールを目的に来店」と回答し、来店客の80.1%が108円の商品を購入したという。
数字だけを見れば、セブンが実施したこのセールは、明らかに成功だ。しかし、競合他社の取り組みとの比較や、長期的な視点から考察すると、今回のセールにはデメリットがあることが分かる。その理由はどこにあるのか。本稿では、そのセールの裏側にある課題を探っていきたい。
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