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「ドコモ経済圏」のカギはアリーナ? 通信大手が描く“体験ビジネス”の未来(2/6 ページ)

NTTドコモがアリーナ・スタジアム運営に本格参入した。最先端の通信技術を武器に、観客体験の向上と地域活性化を両立し、「ドコモ経済圏」の入り口としてエンタメ事業を位置付ける。

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最先端テクノロジーがもたらす「体験」の差

 デジタル環境整備でも海外が先行する。米国にある多目的屋内アリーナ「ゴールデンワン・センター」(カリフォルニア州)では、アプリで選手のリアルタイム統計情報の閲覧のほか、飲食注文や座席アップグレードまで一元的に提供している。AIチャットボット機能に加え、ファンの行動履歴を蓄積し、パーソナライズマーケティングを実現している。

 さらに、建物内に設置した300台以上のHDカメラですべてのプレーを360度の視点で撮影し、モバイルアプリで配信するほか、拡張現実(AR)技術を活用したプレーヤーとの写真撮影なども提供している。

 各種スポーツや音楽イベントなどで年間200日の興業を行い、過去5年間で570万人を集客した。2020年度のチケット販売実績は米国11位(世界22位)で、イベント開催日には歩行者の通行量が平均48%増加するなど、周辺地域で15億ドル超の都市開発効果も生んでいるという。

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IGアリーナでのイベント実施時のイメージ

 一方で、日本の屋内アリーナは多目的利用に最適化されていない施設が多いほか、通信のひっ迫も起きやすく、通信容量やWi-Fi環境の整備が後手に回ることもある。

 モバイルアプリによる座席案内・飲食注文・デジタルチケットなどの導入も限定的で、観客が「手元で何でもできる」体験やリアルタイムでの情報提供、パーソナライズサービスにおいても海外に後れを取っている。

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