「ドコモ経済圏」のカギはアリーナ? 通信大手が描く“体験ビジネス”の未来(4/6 ページ)
NTTドコモがアリーナ・スタジアム運営に本格参入した。最先端の通信技術を武器に、観客体験の向上と地域活性化を両立し、「ドコモ経済圏」の入り口としてエンタメ事業を位置付ける。
目標は「年間100興行日」
また、IGアリーナはネーミングライツの面でも成果を出した。英国の金融サービス企業であるIGグループと10年間の契約を締結した。金額は非公表だが、「日本およびアジア地域で最大規模のアリーナ命名権契約の一つ」とされ、エスコンフィールドHOKKAIDO(北海道北広島市)の年間約5億円を上回る可能性もあるという。
収容規模は最大1万7000人と国内最大級を誇り、オーバル型(楕円形でスポーツ観戦向け)と馬蹄型(コンサート向け)を融合させた設計は日本初である。名古屋駅から地下鉄で約15分と、都心からのアクセスも良い。
アリーナ内には、直径約12メートルのセンターハングビジョン、長さ約220メートルのリボンビジョン(横に長いLEDスクリーン)などを設置したほか、座席は幅広く設計し、4階席は最大30度の斜度で、遠くからでもコートを近く感じられるよう工夫している。
年間100興行日を目標に掲げ、7月13日から大相撲名古屋場所、12月にはフィギュアスケートのグランプリファイナルのほか、音楽ライブやイベントも多数予定している。2026年のアジア競技大会では、バスケットボールと柔道の会場となる予定だ。
Bリーグの名古屋ダイヤモンドドルフィンズも2025-26シーズンからホームアリーナとして使用する。
高付加価値サービスにも注力する。VIP向けのスイートルームを40室用意したところ、ほぼ埋まっている状況だという。年間契約により安定した収益基盤を確保した。また、飲食を楽しみながら観戦できる約940平方メートルのプレミアムラウンジ(d CARD LOUNGE)も提供する。
施設内は、すべてキャッシュレス決済とし、モバイルオーダーで観客ができるだけ並ばずに商品を受け取れる仕組みも導入。専用アプリ「IG Arena 公式アプリ」(7月2日からダウンロード可能)では、チケット購入・表示、飲食店でのモバイルオーダー、座席アップグレード、dポイントの利用まで一元的に提供する。
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