連載
「消費税なんていらない」と語る社長にどう向き合う? “地雷”を避ける3つのポイント:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
参院選に向けて大きな争点になってきた「消費税減税」だが、消費税減税に賛成している人々にはある共通した3つの「思考パターン」がある。それは……。
「消費税減税」を唱える人の「思考パターン」
代表的なものは以下の3つである。
(1)「人口減少」という重いテーマを避けがち
(2)「コスト削減」や「コスパ」が大好き
(3)将来への投資より「目先の利益」
(1)については、現在「消費税減税」を訴えている参院選候補者の主張が分かりやすい。先日、都内である候補者の街頭演説を聞いていたら、集まった聴衆にこんなことを訴えてきた。
「皆さん、日本の衰退は1997年に始まりました! この年に何があったか分かりますか? そう、消費税が3%から5%に上がったんです」
この候補者によれば、「失われた30年」は5%、8%、10%と消費税を上げ続けてきたことで、日本人の消費や企業の経済活動がすっかり冷え込んだことが「元凶」だそうだ。だから、これを元に戻せば日本経済もスコーンと上向いて、物価も下がっていくという。
もちろん、いろんな主張があっていいのだが、驚いたのはこの日本経済論の中で「人口減少」という概念にまったく触れられていなかったことだ。
経済の専門家の中には、日本衰退の最大の要因を「人口減少」と位置付ける人が少なくない。例えば、この候補者が“日本衰退元年”と位置付けた1997年の生産年齢人口(15〜64歳)は約8700万人で、そこから減少の一途をたどり、2024年には約7300万人となっている。この27年で、生産・消費活動の主役である現役世代が1400万人減少しており、これは東京都の人口に匹敵する規模だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
シャープが、テレビ向け大型液晶パネルの生産を2024年9月末で終了すると発表した。同社はまるで「世界の変化に対応できず」衰退していく「日本そのもの」のようだ。なぜかというと……。
「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
牛丼の価格戦争――。この言葉を目にすると「懐かしいなあ」と感じる人も多いかもしれないが、いまや「500円時代」の足音が聞こえてきた、といったところでしょうか。牛丼チェーン3社の業績を見ると、明暗がわかれているようで。
