「消費税なんていらない」と語る社長にどう向き合う? “地雷”を避ける3つのポイント:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
参院選に向けて大きな争点になってきた「消費税減税」だが、消費税減税に賛成している人々にはある共通した3つの「思考パターン」がある。それは……。
「消費税減税」は論理的な解決方法ではない
今回の選挙で争点になっているように、「消費税減税」を望む人は一定数存在する。人口減少と高齢化でどんどん貧しくなる日本では、この勢いはさらに増していくはずだ。
これまで見てきたように、日本の財政や経済を考えれば「消費税減税」は論理的な解決策ではないし、事態をさらに悪化させる恐れもある。
しかし、国家や企業の運営などを見ても分かるように、時に人間というのは非論理的で、事態を悪化させるような道を選んでしまうものだ。そして、一度その方向に流れると、群集心理や同調圧力によって、戦争のように誰もそれを止められなくなる。
今はこうした論争が続いているが、そう遠くない未来には「消費税減税で日本経済復活」「国の借金1400兆円はうそ」といった考えがビジネスパーソンの間で「新しい常識」として定着しているかもしれない。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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