リモートと出社で「成果を出す力」はこう違う 男女1003人に聞いた
リモートか出社か。働き方の違いで、成果を出すために求められるスキルはどう変わるのか。LASSICが実施した調査から、現代の仕事観と必要能力の変化が見えてきた。
リモートワーク人材エージェントのLASSIC(東京都港区)は、20〜65歳のテレワークやリモートワークを経験したことがある男女を対象に、リモートワークと出社、それぞれで成果を出すために求められるスキルについて調査を実施した。リモートワークで成果を上げるために必要なスキルとして、最も多く挙げられたのは「スケジュール管理力」(41.7%)であった。
次に「情報収集力」(32.4%)、「自己管理力(セルフマネジメント)」(30.2%)、「パソコンスキル」(27.7%)が上位に入り、いずれも自律的に仕事を進めるうえで不可欠なスキルが並んだ。
一方、フル出社勤務において必要とされるスキルの1位は「コミュニケーション力」(44.5%)だった。ほかにも「チームワーク力」(27.7%)、「情報収集力」(25.3%)、「交渉・調整力(ネゴシエーションスキル)」(21.6%)など、「対人スキル」が多く挙げられた。
LASSICは、リモートワークにおいては「自分で自分を律し、予定や進捗を管理し、情報も主体的に取りに行くなどの『セルフマネジメント力』が不可欠」と分析する。一方、フル出社勤務では、周囲の集中力や積極的な姿勢に促されることも多く、「自己管理力」の比重が低くなる傾向があるという。
「コミュニケーション力」と「チームワーク力」に大きな差
勤務形態によって特に差が大きくなったのは、「コミュニケーション力」と「チームワーク力」だった。フル出社勤務では、「コミュニケーション力」がリモートワークより17.4ポイント高く、「チームワーク力」は16.6ポイント高いという結果となった。
LASSICは「働き方の違いが、求められるスキルの違いに直結している」と指摘する。
「出社勤務では、会議の空気感や同僚の動きなどに気を配る必要があり、なんとなく察する・合わせる・一緒に動くといった言語化しにくい『場のコミュニケーション』が発生する。『チームワーク力』も同様で、全員が一体となっている空気感をつくる、本気度が伝わるように話すといった対応が求められる。出社勤務では、より幅広く、難易度の高い『コミュニケーション力』が業務に深く組み込まれているのではないか」と分析する。
また、「ストレス管理力」もフル出社勤務でより重視される傾向が見られた。「対面での人間関係や満員電車での通勤など、自分ではコントロールしにくいストレス要因が多い中、前述のように『より広範で難易度の高い』スキルが求められることを考えると、ストレスを管理する力が重要と感じるのも自然な流れである」とLASSICは述べている。
今回の調査は、20〜65歳のテレワーク・リモートワーク経験者を対象に、2025年4月8〜16日にかけてインターネット上で実施された。有効回答数は1003人。
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