人口5000人の町に年間24万人――「朝ドラ特需」に沸くやなせたかしの故郷、渋滞・長蛇の列をどう制御した?(1/5 ページ)
朝ドラ「あんぱん」で注目を集める高知県のやなせたかし記念館。年間来場者数が約24万人に達した年もある一方で、多くの来館者による課題も浮かび上がってきた。地域と観光の両立を目指し、施設が行っている工夫とは?
著者プロフィール
伏見学(ふしみ まなぶ)
フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。
やなせたかしさんと、その妻・暢さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』が放送中だ。
ドラマの登場人物のモデルであるやなせ氏は、高知県香美市香北町(旧・在所村)出身。その故郷に1996年にオープンしたのが、「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」(以下、やなせたかし記念館)である。
やなせたかし記念館では、やなせ氏の作品や収集品の展示に加えて、どのような人生を送ってきたのか、その歩みなども紹介されている。施設は「アンパンマンミュージアム」と「詩とメルヘン絵本館」、そして「別館」からなる。
今でこそやなせたかし記念館とは別に全国5か所に「アンパンマンこどもミュージアム」があるが、2007年に横浜に第1号ができるまでは、やなせたかし記念館がアンパンマンをテーマにした唯一の施設だった。それもあってか、ピーク時の来場者数は年間約24万人で、多い日には5000〜6000人にも上った。当時、香北町の人口は5000人ほどだったため、それに匹敵する規模である。そのため、経済効果だけでなく戸惑いもあった。
来年で開館から30年を迎える、やなせたかし記念館。この施設は、この地に何を残してきたのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
「子どもだから分からなくていい」は間違いだ――やなせたかしが貫いた美術館のあり方
アンパンマンを中心とした作品を複数展示しているやなせたかし記念館は約30年間進化を続けている。そこに息づく“やなせイズム”とは?
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
仕事が遅い部下に“あるテクニック”を教えたら、「チーム全体の残業時間」が3割減ったワケ
仕事の効率化や部下育成に悩む上司やリーダーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
新入社員「Web会議でカメラオンにする必要なくないですか?」 上司のあなたはどう答える?
「上司として、どう答えていいか分からなくて……」 ある大手製造業の部長から相談されたのは、不思議な話だった。

