神戸市のタワマン空室税、議論の行方は?(2/4 ページ)
投資目的の購入などでタワーマンションの空室が増える懸念を踏まえ、空室への課税の是非を議論する神戸市の2回目の検討会会合が28日、開かれる。
初会合で「研究すべきだ」と意見が出たのが、京都市の非居住住宅利活用促進税だ。空き家や別荘など住民が居住していない住宅に課され、おおむね固定資産税の半額程度の負担となることが多い。税を避けるため空き家に住む人を増やしたり、税収を空き家活用の支援策に充てたりすることを狙う。
議論は16年からの検討委員会でスタートした。同市は観光客の増加による交通渋滞、ゴミ問題などが深刻で、行政対応が必要となる一方、財源が不足。アイデアの一つとして上がったのが、市外に住む人が持つ別荘やセカンドハウスへの課税だ。だが、検討委では対象住宅の線引きなどを「慎重に検討する必要がある」として保留。代わりに宿泊客に課す「宿泊税」を答申し、18年の導入につながった。
20年、京都市は新たな検討委を置き、議論を継続。ただ、人口減を背景に空き家の増加が深刻になっており、別荘やセカンドハウスだけにとどめるべきではないとの声が出て、比較的早期に「空き家問題」への対処策という、より広い地域課題の解決策として課税をとらえるようになった。
京都市の担当者によると「居住者のいない住宅への居住を促進し、土地や建物の有効活用を誘導するため生活の本拠以外に住宅を持つ人に負担を求める。防災・防犯も含めた社会的費用の負担を地域の人と同様に求める。この2つの目的が固まると(議論が)流れるようになった」という。
議論の対象がはっきりしたことで、実効性ある検討に役立ったとみられる。そして、21年に税の創設を答申し、その後、条例が成立。必要な総務相の同意もすでに得ており、29年度に施行される予定となっている。
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