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セブンの棚を制した“宇宙人ビール” 1本350円でも、いきなり売れたワケササる“数字”のつくり方(2/4 ページ)

350円のビール「有頂天エイリアンズ」がセブンに登場し、予想外の売れ行きを見せている。高価格でもヒットした理由とは?

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スタートダッシュに成功した理由

 それにしても、有頂天エイリアンズはなぜスタートダッシュに成功したのだろうか。その理由は、大きく2つある。

 1つめは、発売前の「仕込み」だ。ヤッホーブルーイングは、2024年7月に「ヘイジーチャレンジ」という企画を立ち上げた。プロトタイプを先行販売し、購入者の反応を集めたところ「この味を求めていた」「早く定番商品にしてほしい」といったコメントが集まった。少しずつ少しずつファンを増やしていったことで、初動に追い風が吹いたようだ。


「ヘイジーチャレンジ」を実施

有頂天エイリアンズのパッケージデザイン、(左)表(右)裏

 もう1つの理由は、「取り扱い店舗の多さ」だ。新ビールは5月にセブンのおよそ7500店舗で販売を始め、6月には2万店以上に広がった。この数は、セブンでお酒を扱う店舗の約9割にあたる。発売直後から多くの店の棚に並んでいたことが、売れ行き好調につながったと考えられる。

 「新商品を発売しても、コンビニの店頭に並ぶのは5〜6割ほどが一般的だ。そう考えると、今回の9割という数字がいかに高いかが分かる」(開発担当者)

 もっとも、これだけ多くの店舗に並ぶと聞けば、「そりゃあそうでしょ、共同開発商品なんだから。セブンの棚に置いてもらえるのは当然!」と思う人もいるかもしれない。しかし、話はそれほど単純ではない。

 ご存じのとおり、コンビニの冷蔵棚は常に激戦区である。おにぎり、スイーツ、飲み物など人気商品がひしめいており、限られたスペースに何を並べるかは、「どれくらい売れそうか」という数字をもとに決めていく。

 つまり、たとえ共同開発の商品でも、売れる見込みがなければ棚に並ぶことは難しい。そんな中、この新ビールが9割の店で販売しているのは、現場の担当者たちが「これはいける!」と手応えを感じたからだ。

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