コラム
えっ、QUICPayが伸びてる? カード撤退ラッシュの裏で取扱高20%増の真実:「ポイント経済圏」定点観測(1/6 ページ)
QUICPayの撤退は、衰退ではなかった……。スマホ決済が主流となるなか、あえてプラスチックカードから手を引くことで、着実な成長を目指している。
「ポイント経済圏」定点観測:
キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
先日、QUICPayの撤退に関する記事を書いたところ、「QUICPayは、撤退どころか伸びている!」「数字をきちんと調べてから記事化してほしい」といったご指摘をいただいた。
確かに、三井住友カードやアプラスなどの大手各社が、iDやQUICPayのプラスチックカード対応から次々と撤退を表明している。Visaの対面決済におけるタッチ決済比率が52%を突破する中で、日本独自の非接触の決済技術は劣勢であるように見えるが、実際はどうだろうか。
QUICPayを運営するJCBが、20周年を迎えた2025年3月に公表した最新データを見ると、会員数は3000万人を突破し、前年比16%増を記録している。取扱高は20%強の伸びを示し、利用可能な店舗数も300万カ所を超えている。
なぜQUICPayは成長を続け、タッチ決済の急成長とどう両立しているのか。JCBへの取材から見えてきたのは、「共存共栄」の道だった。
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