「PARM」はなぜ売れ続ける? 原点は“2つのアイス”にあった(3/3 ページ)
発売から20年を迎えた森永乳業の「PARM」が、前年比107.7%、年間売上200億円超えという成長を続けている。なぜこれほどまでに長く支持されているのか、その裏側を探った。
一貫したブランド戦略でロングセラーに
森永乳業の担当者は、PARMの人気の理由について「ブランドとしての世界観をぶらさなかったこと」と語る。20年に渡って、「大人のための上質なバーアイス」というブランドイメージの維持に努めてきたそうだ。
実は、発売当初から爆発的にヒットしたわけではない。発売後1〜2カ月は売り上げが伸び悩み、製造ラインが止まる日もあったという。店頭での試食販売やテレビCMなどを通じて少しずつ認知を広げてきたそうだ。
「PARMを立ち上げた時には、工場の製造ラインが1つしかありませんでした。今はPARMのラインで埋められていて感慨深いです」と担当者は振り返る。
2024年3月にはリニューアルを実施。「バニラを強化」した結果、売り上げは前年比117%(1本入り、6本入りともに)と伸長した。
2022年以降は、トレンドや季節に合わせた新しいフレーバーの展開にも注力している。通常の購入層は30代以上の女性が中心だが、季節限定フレーバーは若年層や男性にも好評だという。
新フレーバーの開発にあたっては、流行の味を安易に取り入れるのではなく、「ひとひねり加えた、こだわりを感じられる味」を追求している。一方、6本入りのマルチパックでは、家族全員で楽しめるフレーバーを展開しているそうだ。
PARMの今後について担当者は、「アイスを買いにきてたまたまPARMを選ぶのではなく、PARMを食べたくて売り場に来てもらえるようなブランドを目指したい」と意気込んだ。
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