新卒が辞めない職場の“共通点” チームワーク企業ランキングで分かったこと(4/4 ページ)
新卒社員がチームワークを評価する企業には、どのような特徴があるのか。クチコミを探ると、ある共通点が見えてきた。
(2)ミッションや企業理念に基づいた、チームで成果を出す文化
また、チームで協力し合う文化が根付いていることを示すクチコミも目立ちました。社員にミッションや企業理念が浸透していることで、意思決定やコミュニケーションの場面での行き違いを防ぐことができ、円滑な連携がチームワークの強さにつながっていると考えられます。
例えば、3位にランクインしたマネーフォワードは、日常の中で繰り返しMVVC(ミッション、ビジョン、バリュー、カルチャー)を発信して浸透を図っています。そのため、新卒社員だけでなく、中途社員からも「経営陣も文化醸成に主体的に取り組んでいる」といったクチコミが寄せられています。
マネーフォワード以外にも、風通しの良さやチームの雰囲気づくりに言及したクチコミが、多数寄せられています。
「MVVCへの共感を何よりも重視しており、社内のコミュニケーションでストレスを感じることが非常に少ない」(ビジネス職、マネーフォワード)
「従業員一人ひとりが高い倫理観と使命感を持ち、社会に貢献することを重視している。組織全体が目標に向かって一丸となって努力する姿勢が感じられ、そのためのサポート体制も整っている。上司や同僚とのコミュニケーションが活発であり、問題が発生した際には、チーム全体で解決に取り組む姿勢が強い」(事務、三菱商事)
「『オープンでフランク』『役職機能論』など、風通しの良い文化が根付いている。1年目から責任のある仕事を任せてもらえる環境。そんな環境だからこそ成長でき、プライベートも含めて本当に仲良くなれるような会社。上司もフランクな人が多く、いろいろな人と話す機会をつくれる」(営業、クイック)
まとめ
「新入社員がチームワークを評価する企業ランキング」で、上位30社にランクインした企業のクチコミからは、「相談しやすい環境や文化づくり」や「ミッションや理念の浸透」のために、各社が地道な努力を重ねている様子がうかがえました。
本記事で紹介した施策は、決して目新しいものばかりではありません。しかし、こうした工夫を丁寧に、根気強く続ける姿勢こそが、良好なチームワークを育み、新卒社員の職場への帰属意識を高め、社員エンゲージメントの強化や企業文化の定着につながります。地道な取り組みの積み重ねが、新卒社員が安心して働ける環境をつくり、組織全体の持続的な成長を支える土台となるのではないでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「静かな退職」とは無縁? 社員のやる気が高まっている企業の特徴
若手を中心に広がる「静かな退職」。やる気の低下が課題となるなか、社員の士気が上昇した企業にはどんな共通点があるのか。
「配属ガチャ」は公務員にも? 入職後のギャップは「異動が多い」「17時に帰れない」
地方公務員の「なり手不足」が問題となっています。「公務員=安定」のイメージがあって、働きたいランキングでも上位にランクインしているイメージがありますが、なぜ「なりたい」人が減っているのでしょうか。入職後のギャップを聞きました。
「すぐに辞めたけど良い会社」ランキング トップ20社の傾向は?
新入社員の退職代行サービスの利用増が話題となっている。超短期での退職が増えることは問題だが、自身にあった会社を「選ぶ」ことは大切なこと。3年未満に退職した人に、その会社を評価してもらったところ……。
20代の社員が評価する会社はどこか? ランキングから見えてきた「3つ」の共通点
20代の若者は、会社のどういったところを評価しているのでしょうか。、「チームワーク」スコアが高い企業を調査したところ、3つの共通点が浮かんできました。
