コクヨ「大人のやる気ペン」が人気 約1万円でも売れる“共感の理由”(5/5 ページ)
コクヨが発売した「大人のやる気ペン」に注目が集まっている。マクアケで約3500万円の応援購入が集まり、その後も売れている。ニッチな高額製品なのに、なぜ人気なのか。
“やる気”を解明して「新事業の柱」へ
直近の販促では、ベネッセコーポレーションが展開するオンライン動画学習プラットフォーム「Udemy(ユーデミー)」と共同で、「大人の学び」を応援するプロジェクトを実施している。
「第1弾として、7月に本製品などが当たるキャンペーンを実施しました。引き続きコラボを続ける予定です。現状、新規性のあるモノが好きな層や文房具が好きな層には製品情報が届いている手応えがあるため、今後の展開として、勉強をする大人が集まる場所にアプローチしていきます」
また、“今日のやる気に出会うサイト”として「YARUKI ON」(やる気オン)を展開し、イベントの様子や関連コラムなどを配信している。将来的には、やる気ペンシリーズを通じて、「新たな事業の柱」を作りたい意向があるそうだ。
「IoT文具には、発売後に利用者とつながり続けられる強みがあります。取得したデータを研究材料にして、学びへのやる気を高めるための法則を見いだせれば、『文具』という枠を超えた『新たな事業の柱』になると思っています」
「やる気の法則」が見えてくれば、「やる気」を起点に製品展開が広がるかもしれない。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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