「手っ取り早く教えろ」と詰め寄る部下 上司のあなたはどうする? 押さえるべき4ステップ(3/4 ページ)
それ、手っ取り早く教えてもらえませんか、と詰め寄る部下がいて、困っています。
(a)確認する
「手っ取り早く」という言葉より「態度」「頻度」「文脈」で判断されますので、その辺りを確認してみましょう。「さっきの手っ取り早く教えてくださいよ、という言い方、少し気になったんだけど」「何か急いでる? 締め切りが近いとか焦っている理由ありますか」等です。もし、まともに答えなかったり、威圧的・軽視的な態度を伴うとしたら、相手と距離をとることを考えましょう。
(b)境界線をつくる
(1)即座に冷静に返す
- ライトに釘を刺す→「ちょっと今のその言い方きついな。落ち着いていこう」
- 丁寧にブレーキ→「急ぎたい気持ちは分かるけど命令っぽく言われると少しやりにくいな。今から説明するよ」
(2)指摘の矛先を自分から相手にする
何で教えてくれないの!? と圧をかけてくる部下に対しては、私はそんなに熱くなっていませんよというメッセージが必要です。例えば「まあ、また、冷静に、怖いですよ、そんなにムキにならないで……」と少しトーンダウンした話し方で、ゆっくりと人ごとで、自他の温度感の違いを醸し出します。
(3)部下の言い分に理解を示す
- 1.若者の「早く学びたい」という意欲には、理解を示しましょう。
「確かに、言われてみると、わからないわけではないよね」
「でも今みたいな雑な言い方をされると、こちらも伝えにくくなるよ」
「正直、自分も意欲が下がるときもあるから、(真顔で間を置く)一緒によい形でやっていけると助かる」
- 2.カチンとくるかもしれませんが、冷静になりましょう。
「そうか〜、そんなこと考えてたんだね〜」
「あ、そう、そんな風に思ってたんだ〜、ふーん、そうなんだー(あくまで、他人ごとのトーンで相手の感情の上に乗らずにで賛同を示す)」
とはいえ、先の「若者が育ってきた時代背景や心理的な要因」に考えを巡らせると、言い分に一理あることが分かります。ですので、心のなかは突き放さないようにしてください。「生意気だ」と感じるのは、自分の価値観が古くなっているサインかもしれない、という見方も必要です。
- 3.その上で、仕事やスキルには時間をかけて学ぶ必要がある部分も多いことを丁寧に説明します。
「早く結果を出したい気持ちはよくわかる。ただ、この仕事には基本的な知識やスキルが欠かせないんだ、だから、まずはしっかり基礎を押さえよう」
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