「ケンカできる総務」が会社を変える 経営を動かす“発信力”の磨き方:「総務」から会社を変える(3/4 ページ)
現場の細部まで把握できない経営層にとって、判断材料となるのは各部署が限られた時間の中で上げてくる情報だ。経営層に対して「何をどう伝えるか」は力量が問われる。今回は、総務の経営層に対するコミュニケーションについて考えてみよう。
InformationとIntelligenceの違い
情報を集めても、伝え方を誤れば意味がない。数字以外の情報は解釈の余地が広く、言葉選びによっては経営判断を誤らせることにもなりかねない。報告を構成する際には「事実(Fact)→影響(Impact)→提案(Action)」の順で整理すべきだ。まず事実を明確に述べ、その事実が経営層や現場にどのような影響を及ぼすのかを説明=自社事化し、最後に解決策や行動案を提示する。
InformationとIntelligenceの違いをご存じだろうか? 前者は単なる情報、事実の伝達である。単なる情報を伝えるだけでは、経営層が自ら情報を分析して、どう判断するかを考えなければならない。
一方、後者はその情報を自社事化して、対応方法と判断軸まで添えて伝える情報である。例えば「このような事実があり、その対処方法として、A案、B案、C案が考えられます。総務としては、このような判断軸の下、B案が適切かと思います」といったもの。こうなれば、経営層は「ではB案で行こう」と判断できる。Intelligenceを経営層に伝えられる総務が理想だ。
また、限られた会議時間を有効に使うため、結論は冒頭で述べる。現場の困りごとを報告する場合でも、「放置すれば売り上げやブランド価値にどのような影響が出るのか」という経営軸で翻訳して伝えることが重要だ。そしてネガティブな情報も隠さずに共有し、必ず解決策を添えて示すことが信頼につながる。経営層と同じベクトルで語ることができれば、たとえ耳の痛い話でも経営層は受け止めるはずだ。
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