思い込みの激しい「年上部下」に言いたいことが伝わらない! 上司のあなたはどう対応すべき?(1/3 ページ)
年上の部下の思い込みが激しくて、こちらの言いたいことが伝わらず、困っています
この記事は、『部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本 悩める上司への処方箋』(加藤京子著、日本能率協会マネジメントセンター)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
年上の部下の思い込みが激しくて、こちらの言いたいことが伝わらず、困っています
役職定年制などで、一定の年齢に達すると役職を退き、一般職(非管理職)として勤務を続ける制度があります。そんな方が、あなた(45歳)の部下になりました。経験・プライド・価値観の違いから、やりにくさを感じることが多いようです。
このたび、あなたは、中堅リーダーとして抜擢され、社運をかけた重要なプロジェクトを任されました。驚いたことに、そこには、かつてお世話になった上司Bさんがいました。プライドも高く、俺さま系の上司でしたが、想像通り、彼がいるグループの雰囲気は良くありません。他のグループと比べて、離職率が高いのです。
それとなく周囲に話を聞いたところ、ありがちな「スパルタ式」の指導が若者に受け入れられてないとかで、退職者が後を絶ちません(ああ、やっぱり……と思います)。先日、その辺りの話をやんわりとしたところ、Bさんがキレてしまい、あなたへの説教が始まりました。
やはり、パワーは向こうの方が数段強い……自分が上司なのに謝る日々……じわじわと神経が削られてきました……。
思い込みの激しい「年上部下」 上司のあなたはどう対応すべき?
部下のタイプ
非論理的です。喜怒哀楽関係なく感情を表すタイプです。反射的に、攻撃的な言葉を返してくることがあります。プライドが高く、傷つけられたと感じると、過剰に反応することもあります。ここでは、「自分のほうが上」(年齢が上、経験が豊富)であることから、あなたに対して、支配的になります。
上司(あなた)の気持ち
「年齢ではなく、役割として徹しよう」と思いつつも、完全には割り切れない……です。かなり弱気です。自分は上司なのに「誰にも守られていない」気がしてきました。
どうすればよいでしょう
Bさんと上手くやっていくこと(人間関係修復)は、一旦横に置きましょう。
この経緯を見る限り、Bさんには、プライドという「感情論」が絡んでいるので、100%打ち解けるのは難しいでしょう。一方、社運をかけたプロジェクトの阻害要因になっているわけですから、この場面では「立場と役割」を前面に話し合いを進めていきましょう。
……とはいえ、いきなり戦闘モードはいただけませんので、このようなクダリから始めてみてはいかがでしょうか。
- 「その節はお世話になりました」
- 「あのときは、本当に鍛えていただきました。ありがとうございます」
以前、一緒に仕事をした人、注意を受けた人と再会するときの挨拶代わりになることばです。勉強になったということを伝えることで、相手を立てることができます。そのうえで、今の由々しき事情にもっていきます。
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