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思い込みの激しい「年上部下」に言いたいことが伝わらない! 上司のあなたはどう対応すべき?(3/3 ページ)

年上の部下の思い込みが激しくて、こちらの言いたいことが伝わらず、困っています

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(c)結節点をみつける

 最終的には、「仕事が回るように協力してもらう」をゴールにします。結果として、離職率が下がれば尚よいです。ここは「お願いをする」というスタンスで、結節点をみつけていきます。一緒に部下を育成する、という共通の目的に向かえないかを打診します。

(1)共有できる点→線にする

 流れをつくります。

  • 「Bさん、その節は本当にお世話になりました。鍛えてくださって、ありがたかったです」(労い・尊重)
  • 「最近の若い子って、あの時代とは違いますよね、私も気をつけているんですが、Bさんは、どう思いますか」(感情を聞く)

 人間は感情を聞かれると素に戻る習性があります。上にいる感覚から、一瞬で同位置におろしていきます。

  • 「Bさんの技術・能力……、すごく頼りになるんです。そこを何とか全体で共有したいんですが……どうでしょう」(提案)。
  • 「そういった知識……習得するのはとても難しい……、自分もそうだったからよく分かるんです。今の若い子たちへのアドバイスってありますか」(支援の依頼)

(2)非協力的なときは……

 「命令」ではなく、「労い+尊重」から「相談+お願い」にすると受け入れやすくなります。

  • 「Bさんを講師として、勉強会のようなお時間をとっていただいてもよいですか、これは、私の責任で進めますので、いかがでしょうか、ご協力お願いしたいです」(プライドを傷つけず、指示をする)

 「○○さんの経験を生かしたいので、ご意見をいただきながら進めたいです」と頼る姿勢を見せてみましょう。

(3)聞く耳を持ってくれないときは……

 「全否定」されると反発が大きくなるので、少しずつ取り入れてもらうのがコツです。

  • 「今のやり方のよい部分を取り入れつつ、改善策を提案するというのはどうでしょう」

 「一度やってみて、ダメならまた考えましょう!」と柔軟なアプローチをしてみてください。

(4)自分のやり方を変えないときは……

 例えば「効率アップ=自分の負担が減る」と気づかせると、受け入れやすいでしょう。

 「○○さんの業務がもっと楽になると思うんです」「一緒にやってみませんか?」とメリットを強調してみましょう。

 「最初はサポートしますので、慣れていけば大丈夫です!」と安心感を与えましょう。

(5)それでもうまくいかないときは……

 あなたを軽視し、他のメンバーにもこの態度を共有することが続く、または、人間関係からの切り離しや、指示を無視することが起こるには、サポートを依頼してください。人事や上位上司に情報共有して孤立しない環境を整えてください。リーダーにも「守られる権利」があるのですから。

まとめ

  • 初動としては、「年齢」ではなく、「お互いの強みを生かす」意識で関わる
  • 「リスペクトを忘れずに、協力を求める」というスタンスをとる
  • 「経験を認めつつ、チームの目標に合わせてもらう」ようにする

加藤京子

H・Rサポート、株式会社クレドコラ(credocara)代表

青山学院大学文学部フランス文学科卒業

日商岩井株式会社(現 双日株式会社)入社

1998年社会保険労務士資格取得、2000年独立開業〜現在H・Rサポート(港区西新橋にて社会保険労務士事務所経営)

2004年研修講師として活動開始し、管理職選抜・昇格審査事業の一環として、部下育成の相談( 面談)を受託。年間約100日(20年間)、約20,000人対応。現在、研修講師および人材アセスメントのチーフコンサルタントとして活動中。

著書に『Z世代に嫌われる上司 嫌われない上司』(ぱる出版)がある。


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