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たかが数分、されど数分 接客の大敵「待ち時間」をファンケルはどう解決した?(2/3 ページ)

店舗接客の悩みの種である「待ち時間」。スタッフにとってもお客にとっても、短いに越したことはない。この待ち時間について、ファンケルは徹底した現場目線で解決を図った。

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現場からの細かいリクエスト、どう対応する?

 両氏によれば、4月1日からの全店導入時に、大きなトラブルはなかったという。スムーズな全店導入が実現したのは、念入りなトライアルを実施したことが大きかったそうだ。「全店導入を目指し、まず1月から、5つの大型店舗でテスト導入を開始しました。アプリが好評だったことから、4月には売り上げや立地など複数条件から選んだ17店舗に拡大し、10月末までトライアルを実施しました」(髙井氏)

 トライアルでは、アプリを使用したスタッフの声を収集し、改良に生かした。「もともとアプリ開発には現場出身のメンバーが参加しており、トライアル前に、ある程度現場目線で使いやすいラインまで仕上げていました」(大塚氏)。トライアルでは「もう少し色が分かりやすいと助かる」「動作がもっと滑らかだといい」などの声を受けて微調整を繰り返したそうだ。

 スタッフからはかなり細かい部分にまでリクエストがあったというだが、両氏はそういった声をとてもポジティブに受け止めていた。大塚氏は「使ってくれているからこそ、細かい部分まで気付いてもらえますし、その結果、現場で使いやすく、見やすいアプリを完成できました」と当時を振り返る。

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接客アプリの利用イメージ(プレスリリースより引用)

 髙井氏によれば、全店導入に際し、通信環境の確認やセキュリティ対策も重視したという。「顧客を待たせないためのアプリなのに、通信が遅いと待たせてしまうことになり本末転倒です。そのため通信環境は何度もチェックしました。また、個人情報を扱うためセキュリティ面も強化し、店舗内でしか使えないよう設定しています」(髙井氏)

 大塚氏は、スタッフ向けの勉強会も主催した。トライアル時から何度も実施し、アプリそのものの目的から、接客時にどう生かすかなどフォローしたという。「開発時から『説明しなければ使えないものを作らない』ということを念頭に置いていたので、使い方が分からないなどの問い合わせはあまりありませんでした」と大塚氏は話す。

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