2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界(6/7 ページ)

国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

ドンキとは“真逆の戦略”で成長する地方企業も

 このようにして、小売業界の王者となりつつあるドンキ。圧倒的な業績で、死角がないように見えるものの、課題は残っています。

 実は、全体としては成長していますが、ディスカウントストアやGMSでは既存店の客数が伸び悩んでおり、既存店ベースの客数伸び率は、前年同月比で2024年6月期が102%、2025年6月期は101%程度にとどまり、微増にとどまっています。コロナの影響もあり、2020年6月期〜23年6月期までの伸び率は前年を下回っていることから、この数年で「やっと元通りになった」という見方のほうが正しいでしょう。


(出典:ゲッティイメージズ)

(筆者作成)

 インバウンド効果が今後も継続するかどうかも不透明です。観光需要は景気に敏感なため、欧米の経済状況や為替動向によっては、訪日観光客の消費行動に大きな影響を与える可能性があります。外部環境の変化によって、これまでの成長エンジンが鈍化するリスクも大いにあります。

 また、小売業界には、ドンキとは全く異なる戦略で着実に成長している企業が存在する点も気になるポイントです。

 例えば、埼玉県を中心に店舗を展開しているスーパー「ベルク」は、業界屈指の標準化を進め、本社主導の運営体制を徹底しています。ドンキの「徹底した現場主義」とは真逆ともいえる「超本社主義」によって、2025年6月時点で既存店売上高・客数・客単価の3指標すべてにおいて、35か月連続の前年超えを達成しています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る