「サントリー会長辞任」にざわざわ 逮捕なしでも“プロ経営者”が辞めざるを得なかった理由:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
「プロ経営者」として知られる新浪剛史氏の辞任が話題となっている。「違法サプリ疑惑」もあるが、危機管理の観点で問題だったのは……。
新浪氏が犯した3つの「タブー」
そういう視点で今回の騒動を見ると、「会社を守るためとはいえ、ちょっと厳しすぎだろ」と新浪氏に同情する人もいらっしゃるかもしれない。あまりの“やりすぎ感”にSNSでは、「実はサントリー側は何か確たる情報を握っていて、それが表沙汰になる前に新浪氏を切ったのでは?」などとうがった見方をする人も現れるほどだ。
ただ、危機管理の専門家という立場で言わせていただくと、今回サントリーHDが行った辞任勧告はまったく間違っていない。罪に問われている/いない以前に、グループのトップとしては決してやってはいけない「タブー」を3つも犯してしまっているからだ。ざっというと以下の通りである。
(1)「サプリメントの素人」のおすすめを妄信
(2)厚労省や東京税関の「注意喚起」を無視
(3)「日本で買うと高いので個人輸入した」という動機
まず(1)に関しては、多くのメディアや専門家が首をかしげていることでもある。新浪氏は会見でCBDサプリメントは「ニューヨーク在住の知人女性にすすめられた」と述べ、この女性について実名を明かしていないものの、このように述べている。
「この方は大変著名な方で、私や著名な方の身体の健康をアドバイスされる方で、日本国内でも適法で、堂々とハンドキャリーで持っていくと言い、私の自宅に送る手配をしたと聞いている」(出典:2025年9月3日『時事ドットコムニュース』)
実は今回の問題が発覚する前から、福岡県警の動きをキャッチして動いていたメディア関係者の間では、既にこの女性の正体は判明している。ニューヨークを拠点に現地のセレブから絶大な人気を誇るマッサージ店を開業している日本人女性だ。常連には、大手企業の経営者や大手メディアの記者も含まれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「ジャングリア沖縄」はなぜ叩かれるのか? 大自然と人工恐竜の没入感ギャップ
7月25日にオープンしたばかりの「ジャングリア沖縄」が、ネット上で叩かれている。なぜ厳しい意見が飛び交っているのか、その理由は……。
なぜラーメン二郎は信者を生むのか 支配と服従がもたらす“中毒性”の正体
ラーメン二郎府中店がXに投稿した「食事は20分以内」の“お願い”が話題になっている。「客を支配している」と批判する人もいるが、むしろ日本では今後そうした店舗が増えていくのではないか。その理由は……。
「天下一品」閉店の背景は? 唯一無二の“こってり”に陰りが見える理由
天下一品の大量閉店が話題になっている。フランチャイジー側の店舗戦略が関係しているとの話もあるが、本当だろうか。天下一品のヘビーユーザーでもある筆者の見解は……。

