連載
不祥事相次ぐシャトレーゼ、過度な低コスト路線も一因? 近年の「一人勝ち」をあらためて振り返る(4/4 ページ)
直近でいくつもの不祥事が発覚しているシャトレーゼ。とはいえ近年はスイーツ業界の中でも一人勝ちと呼べる状況が続いていた。あらためて同社の強みを分析する。
都心型店舗や海外では苦戦
ロードサイドを攻めてきたシャトレーゼは、2019年に都心型の新業態店として「YATSUDOKI」を開業した。都内では経堂や自由が丘駅付近の商店街に店を構える。
プレミアム店という位置付けで、シャトレーゼと同じく安い商品も提供しているが、ケーキは1個当たり500円以上のものも多い。こうした点もあってか、店舗展開はうまくいっていないようだ。
2024年時点で20店舗以上あったが、現在は10店舗台に減少している。街の洋菓子店が淘汰されたのと同じような理由で、苦戦していると思われる。
海外の店舗数もこの2年ほどでほとんど増えていない。期待できるのは、2022年に初の現地工場を設立し、2026年に同工場の9倍規模となる新工場を設置する予定のインドネシアだろうか。海外で日本と同じ仕組みを構築できるか、シャトレーゼの今後に注目したい。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
トーハン、「シャトレーゼ」のFC運営拡大 書店×お菓子で「新モデル」目指す
出版取次大手のトーハンは3月24日、「シャトレーゼ 東大和芋窪店」(東京都東大和市)をオープンした。同社は2024年にシャトレーゼとのFC契約を締結しており、東大和芋窪店は2店舗目。異業種と手を組む狙いは?
シャトレーゼが新たにシンボルマークを制定、佐藤可士和氏がデザイン
菓子専門店を運営するシャトレーゼは、クリエイティブディレクターである佐藤可士和氏にデザイン開発を依頼し、グループのシンボルマークを新たに制定したことを発表した。