竹田恒泰さんの「古墳のお墓」なぜ人気? 「墓じまい」が増える中、280区画が即完売:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
竹田恒泰さんが手掛けるお墓のプレオープン販売分280区画が、たった24時間で完売した。「墓じまい」をする人が増える中、なぜこんなにも売れているのか。その理由は……。
いま主流の「お墓」とは
まず(1)から説明しよう。竹田さんの「古墳墓」は、3世紀後半に出現した巨大な鍵穴型の古墳「前方後円墳」をモチーフにしたもので、内部に遺骨を収められるようになっている。
公式Webサイトによれば、基本的な埋葬方法は2つ。ひとつめは「永代祭祀墓(えいたいさいしぼ)」。古墳内部は地表から4段目に位置し、1人用区画と、2人用区画がある。その区画を購入して埋葬される。永代使用の期間は20年で、その後は10年ごとに延長できるという。今回、大阪の古墳墓で280区画完売したのはこれだ。
もうひとつが「合祀墓(ごうしぼ)」。前方後円墳の前方部分の最上段にひとつの大きな区画があり、そこに袋に入れた遺骨を積み上げていく。当然、永代祭祀墓よりも安価に利用できる。また、霊園によっては「地下納骨堂」を設置する古墳墓もあるそうだ。
さて、このような話を聞くと、「なんだ樹木葬と同じじゃん」と思う人もいるだろう。樹木葬とはシンボルツリーのような大木の根本を区画で分けて遺骨を納めたり、合祀墓として利用したりするもので今、墓の主流だ。
「終活」関連サービスを提供する鎌倉新書が毎年行っている「お墓の消費者全国実態調査」によれば、同社運営のお墓に関するポータルサイト「いいお墓」経由で2024年の1年間に墓を購入した人の48.5%は「樹木葬」だった。ちなみに、区画で分けられて墓石が建てられた「一般墓」はわずか17.0%である。
そんな樹木葬の埋葬スタイルと「古墳墓」の考えも基本的には同じようだ。実際、販売サイト「古墳の窓口」にもこのような説明がある。
「樹木葬は西洋式が一般的ですが、日本には日本式の樹木葬があっても良いはず。それが古墳墓です!」
この古墳墓には、一般的な樹木葬と大きく異なる点がある。それは「細部へのこだわり」が随所にある点だ。まず、この古墳墓、歴史学者とともに本物の前方後円墳を研究して、細部まで忠実に再現しているという。しかも驚くのは、この古墳墓には研究者とともに図面から再現した「三種の神器」まで納められるのだ。
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