ゴディバも加わった「ドバイチョコ」旋風、人気の秘密は?(2/5 ページ)
ドバイで誕生した「ドバイチョコレート」が、世界的なトレンドとなっている。高級チョコレートブランドのゴディバやリンツも、オリジナルのドバイチョコを発売して好評を得ているという。人気の理由を取材したところ……。
ザクザクの「咀嚼音」や「見栄え」で人気に
ドバイチョコのルーツは、ドバイの小さなチョコレートブランド「FIX Dessert Chocolatier(フィックス デザート ショコラティエ)」が開発した「Can't Get Knafeh of It」(訳:クナーファの虜になって抜け出せない)という名前のチョコレートバーだ。
同商品は、カダイフにチーズやクリームなどを包んで焼き、上からシロップをかけた中東の伝統的なデザート「クナーファ」に、インスピレーションを得て開発。板チョコの中に、ピスタチオクリームとタヒニ(ゴマペースト)、カダイフをフィリングし、表面にカラフルなデザインを施している。2022年にアラブ首長国連邦で売り出したところ、SNSを通じて人気が急上昇した。
トレンドの火付け役は、ドバイのインフルエンサーによる2023年12月のTikTok投稿だ。チョコを割ったときの鮮やかな緑色の断面や噛(か)んだ時のザクザクとした咀嚼(そしゃく)音が、大きく注目された要因とされる。同投稿は、現時点で730万の「いいね」が付いている。
「ドバイチョコレートには、味覚だけでなく、視覚・聴覚・感性に訴える“体験型スイーツ”としての魅力があります。ピスタチオのリッチな味わいやカダイフによる独特の食感、音に加えて、高級感のある商品ビジュアルがSNS映えし、現代の共有文化と非常に相性が良いのだと思います」(リンツ&シュプルングリージャパン 広報担当者)
SNSの人気カテゴリーの一つに、聴覚や視覚の刺激による心地よさやゾクゾクした快感を誘発する「ASMR」があり、ドバイチョコはまさに同カテゴリーにハマった。関連投稿は、断面の映像や咀嚼音を強調する動画が目立つ。それらが、「食べてみたい」という消費者の欲求につながったようだ。
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