「ブラックサンダー」一本足打法の限界……突破口となる“至福”の新商品とは?:地域経済の底力(5/5 ページ)
これまで19億本を売り上げた大ヒット菓子のブラックサンダー。その開発・販売を行う有楽製菓は、製品のリニューアルに加え、工場見学施設もオープンさせた。人気菓子は、今後どのように進化するのか?
生産能力を1.7倍に拡大した新工場
この至福のバターをはじめ、ブラックサンダー商品を製造するのが豊橋夢工場だ。2024年12月に豊橋夢工場第2工場をオープン。これにより同社全体での生産能力が約1.7倍に拡大した。
第2工場では、1日当たり70万本、年間で2億5000万本の製造が可能だ。この工場の特徴は、機械化によって人手による作業を6割ほど削減したことであり、生産能力が向上したこと以上に、コスト抑制効果が大きいとしている。
さらに5月には、ブラックサンダー史上初となる工場見学施設「ブラックサンダー ワク ザクファクトリー」を開業した。これはブラックサンダー発売30周年を記念したプロジェクトの一環として実現したもので、週末や夏休みなどには多くの人々が訪れるという。
第2工場に併設する直営店「ワクザクSHOP」も好調で、従来の売店と比べて売り上げは2倍に伸びた。目玉コンテンツは、3分間で詰め放題のブラックサンダーの袋詰め(1100円)だ。1個43円で計算した場合、26個以上で元が取れる計算だが、多くの客は40個前後詰めるそうだ。筆者も挑戦してみたが、詰められたのは30個。不器用さを露呈する結果となった。
ファクトリーでは、生産プロセスが一通り見学できるようになっている。今までもテレビ番組などでブラックサンダーの製造工程は紹介されてきたが、一般公開は今回が初めてだ。
ブラックサンダーなどの商品の改善はもちろん、ファン作りにも力を入れる有楽製菓。今後もその挑戦から目が離せない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
仕事が遅い部下に“あるテクニック”を教えたら、「チーム全体の残業時間」が3割減ったワケ
仕事の効率化や部下育成に悩む上司やリーダーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
売れなかった「水筒みたいな氷のう」が逆転ヒット メーカーも予想しなかったSNSの“バズ”
“売れない氷のう”が、SNSをきっかけに一大ヒットに転じた。ピーコック魔法瓶の携帯氷のうとは……?
新入社員「Web会議でカメラオンにする必要なくないですか?」 上司のあなたはどう答える?
「上司として、どう答えていいか分からなくて……」 ある大手製造業の部長から相談されたのは、不思議な話だった。





